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カテゴリ:出版社への売り込み

2025年1月8日

テーマ:出版社への売り込み

出版企画が通らない4つの理由とその打開策

出版社に企画を持ち込んだ際、採用が見送られる主な理由は以下の4つに分類されます。

 

 

1. 著者に関する要因

多くの場合、企画が採用されないのは、著者がそのテーマに対する適切な専門性や経験を持っていないと判断されるためです。

もし実績が不足している場合は、専門性を高める努力が必要です。

一方、十分な実績があるにもかかわらず伝わっていない場合は、著者プロフィールを見直し、具体的な成果や経験を明確に記載することで、編集者に適切な印象を与えることができます。

また、著者の人柄や編集者との相性も重要な要素です。

高圧的な態度や不誠実な対応は避け、誠実で協力的な姿勢を示すことで、編集者との信頼関係を築くことができます。

 

2. 企画内容に関する要因

企画が採用されない理由として、テーマや切り口に市場性が欠けていることが挙げられます。

市場性とは、読者のニーズや関心に応える内容であるかを指します。

企画を立案する際には、現在のトレンドや読者の求める情報をリサーチし、それに応じたテーマ設定や独自の視点を取り入れることが重要です。

また、類似の書籍が存在しないからといって必ずしも需要があるとは限りません。

類書がない理由を分析し、本当に読者が求めている内容かを検討することが必要です。

 

3. 提案のタイミングに関する要因

どんなに優れた企画や著者であっても、提案のタイミングが適切でない場合、採用が見送られることがあります。

出版業界では、企画が決定してから実際に書店に並ぶまでに約3ヶ月以上の時間がかかります。

そのため、その時点での市場の動向やトレンドを予測し、適切なタイミングで企画を提案することが求められます。

例えば、季節に関連したテーマや社会的なブームに合わせた企画は、タイミングが重要です。

もし時期が合わずに採用されなかった場合でも、後日再提案することで採用に至る可能性もあります。

 

4. 条件に関する要因

最後に、出版社との契約条件が合わない場合も、企画が採用されない理由となります。

例えば、初版の印税率や初版部数、書籍の仕様(サイズ、ページ数、カラーなど)に関して、著者と出版社の間で意見の相違が生じることがあります。

特に、初版印税をゼロにする、あるいは特定の販売数を保証するなどの条件を提示することで、出版社の関心を引くことも可能ですが、これらの条件を受け入れるかどうかは著者自身の判断となります。

出版はビジネスであり、出版社には商品設計や販売戦略があります。

そのため、双方が納得できる条件を見つけるための柔軟な姿勢と交渉が重要です。

 

以上の要因を踏まえ、企画が採用されなかった場合でも、自己分析と改善を重ねることで、再チャレンジの成功率を高めることができます。

市場のニーズを的確に捉え、自身の専門性を磨き、適切なタイミングで企画を提案し、出版社との良好な関係を築くことが、出版実現への近道となるでしょう。

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2024年11月15日

テーマ:出版社への売り込み

出版企画を成功させる市場規模の見極め方

書籍の企画が採用されるかどうかは、編集会議での出版企画書がカギを握ります。

編集会議では通常、具体的な数字やデータに基づいて企画の採用可否が検討されるため、説得力のあるデータが企画書に添えられていると、採用の可能性がぐっと高まるのです。

 

 

その際、特に「市場規模を示す数字」が提示されていると有効とされます。

市場規模を示す数字とは、たとえば関連ユーザーの数や登録者数のことなどを指します。

その数が高ければ高いほど、書籍としての市場性が評価されやすくなります。

 

また、この数字が信頼性の高い客観的資料に基づいていることも重要です。

 

数字の一つの目安として、ある市場での総ユーザー数のうち1%が本を購入すると仮定できる場合、ユーザー数の1%が5,000人を超えていれば、比較的スムーズに企画が進行する可能性があるとされています。

例えば、iPhoneが発売された直後に関連書籍を企画する場合、もしその販売台数が100万台であれば、そのうち10,000人の読者を想定できるため、「iPhoneの使い方に関する本」の企画は通りやすいという判断ができます。

 

また、類書の売れ行きも市場規模を測る上で参考になります。

特に類書が1冊のみでかつ売れ行きが好調であれば、同じテーマの企画は採用されやすい傾向にあります。

しかし、類書が3冊以上ある場合は市場が飽和していると判断され、新しい切り口や独自性が必要となります。

こうした市場規模や関連データは、BCNランキングなどのニュースサイトやAmazonランキングなどで確認することができ、また、本屋で平積みされている本の奥付からも増刷の有無を確認することが可能です。

 

このように市場規模を示す信頼できるデータを企画書に添付することは、書籍の販売見込みを立てやすくし、企画がより迅速に通るための効果的な手段なのです。

 

逆に、「需要があるはず」「たくさんいるだろう」など根拠の曖昧な予測では企画の説得力が弱まり、具体的な需要がわからないため、編集部からは魅力的に映りません。

もちろん、数字の裏付けがないからといって必ずしも企画が不採用になるわけではなく、企画自体が面白ければ、その内容が評価されて採用に至る場合もあります。

ただし、データがない分だけ意思決定には時間がかかることが多いということです。

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2024年10月7日

テーマ:出版社への売り込み

同時に複数の出版社へ売り込みする秘訣とは

出版業界において、複数の出版社に同時に企画を売り込むことは、基本的に道義的な問題があると言われています。

出版社の担当者は多くの案件を抱えながら迅速に判断を下す必要があるため、著者が誠実に対応することは、信頼関係を築き、企画を優先してもらうために非常に重要なのです。

そのためにも、1社1社に丁寧に売り込みを行い、その都度、結果を待つようにしましょう。

 

 

しかし、効率を考えると、なかなかそんな悠長なことは言ってはいられません。

では、そのような場合、どう対応すべきかをお伝えします。

 

まず、複数の出版社に同時に企画を提案する際には、必ず「他にも売り込みをかけている」ことを相手に伝えることが大切です。

これは、他の出版社が動いていることを知ることで、早めの意思決定を促す効果もあります。

また、出版社も他の競合がいることを理解した上で判断を下すため、正直に状況を伝えることで信頼を損なうリスクを避けることができます。

 

また、複数の出版社に企画を同時に提案する場合、事前にいくつかの異なる切り口の企画を用意しておくとよいでしょう。

例えば、各出版社ごとにそれぞれのカラーに合った切り口で企画を提示し、異なる企画として受け取られるように調整することで、同じテーマの企画であっても、より採用されやすくなります。

 

そして、複数の出版社から前向きな反応が得られた場合、理想的なのは先着順で進めるのが良いでしょう。

出版社同士の競合を避けるために、誰が一番早く意思表示をしてくれたかという基準で進めるのが、公平かつトラブルを避ける最善策です。

ただし、著者や企画のバリューが高い場合には、待ってもらえる可能性もあります。

企画が魅力的であれば、出版社側も他社より良い条件を提示してくれることがあり、好条件を引き出すことができるかもしれません。

とはいえ、このようなケースは稀であり、多くの場合、チャンスを逃すことのないように迅速に行動することが重要です。

 

さらに、同時進行で複数の企画を進める場合には、スケジュール管理が非常に重要です。

並行して別々に企画を進めるとなると、進行が遅れるリスクや販促にかけるパワーが散漫になってしまう場合もあります。

それだけに、複数の出版社と同時に交渉を進める場合、それぞれの出版社の編集者と進行スケジュールや原稿の締め切り、プロモーションの段取りに対してしっかりとした計画を立てることが不可欠です。

ちなみに、それぞれの出版社から文句を言われないようにするためには、発刊の間隔を3ヶ月以上あけるようにしましょう。

 

とはいえ、やはり理想的なのは、複数の企画を同時に進めずに1つずつ丁寧に対応することです。

複数の企画を並行して進行させるのことは、売れっ子作家のような感覚になり、魅力的に感じるかもしれませんが、結果的にどっちの企画も中途半端になってしまう可能性がほとんど。

せっかくのチャンスを大切にしながら、着実に成果を積み上げることが、息の長い著者として活躍できる近道だと思います。

 

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