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カテゴリ:出版社への売り込み

2024年11月15日

テーマ:出版社への売り込み

出版企画を成功させる市場規模の見極め方

書籍の企画が採用されるかどうかは、編集会議での出版企画書がカギを握ります。

編集会議では通常、具体的な数字やデータに基づいて企画の採用可否が検討されるため、説得力のあるデータが企画書に添えられていると、採用の可能性がぐっと高まるのです。

 

 

その際、特に「市場規模を示す数字」が提示されていると有効とされます。

市場規模を示す数字とは、たとえば関連ユーザーの数や登録者数のことなどを指します。

その数が高ければ高いほど、書籍としての市場性が評価されやすくなります。

 

また、この数字が信頼性の高い客観的資料に基づいていることも重要です。

 

数字の一つの目安として、ある市場での総ユーザー数のうち1%が本を購入すると仮定できる場合、ユーザー数の1%が5,000人を超えていれば、比較的スムーズに企画が進行する可能性があるとされています。

例えば、iPhoneが発売された直後に関連書籍を企画する場合、もしその販売台数が100万台であれば、そのうち10,000人の読者を想定できるため、「iPhoneの使い方に関する本」の企画は通りやすいという判断ができます。

 

また、類書の売れ行きも市場規模を測る上で参考になります。

特に類書が1冊のみでかつ売れ行きが好調であれば、同じテーマの企画は採用されやすい傾向にあります。

しかし、類書が3冊以上ある場合は市場が飽和していると判断され、新しい切り口や独自性が必要となります。

こうした市場規模や関連データは、BCNランキングなどのニュースサイトやAmazonランキングなどで確認することができ、また、本屋で平積みされている本の奥付からも増刷の有無を確認することが可能です。

 

このように市場規模を示す信頼できるデータを企画書に添付することは、書籍の販売見込みを立てやすくし、企画がより迅速に通るための効果的な手段なのです。

 

逆に、「需要があるはず」「たくさんいるだろう」など根拠の曖昧な予測では企画の説得力が弱まり、具体的な需要がわからないため、編集部からは魅力的に映りません。

もちろん、数字の裏付けがないからといって必ずしも企画が不採用になるわけではなく、企画自体が面白ければ、その内容が評価されて採用に至る場合もあります。

ただし、データがない分だけ意思決定には時間がかかることが多いということです。

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2024年10月7日

テーマ:出版社への売り込み

同時に複数の出版社へ売り込みする秘訣とは

出版業界において、複数の出版社に同時に企画を売り込むことは、基本的に道義的な問題があると言われています。

出版社の担当者は多くの案件を抱えながら迅速に判断を下す必要があるため、著者が誠実に対応することは、信頼関係を築き、企画を優先してもらうために非常に重要なのです。

そのためにも、1社1社に丁寧に売り込みを行い、その都度、結果を待つようにしましょう。

 

 

しかし、効率を考えると、なかなかそんな悠長なことは言ってはいられません。

では、そのような場合、どう対応すべきかをお伝えします。

 

まず、複数の出版社に同時に企画を提案する際には、必ず「他にも売り込みをかけている」ことを相手に伝えることが大切です。

これは、他の出版社が動いていることを知ることで、早めの意思決定を促す効果もあります。

また、出版社も他の競合がいることを理解した上で判断を下すため、正直に状況を伝えることで信頼を損なうリスクを避けることができます。

 

また、複数の出版社に企画を同時に提案する場合、事前にいくつかの異なる切り口の企画を用意しておくとよいでしょう。

例えば、各出版社ごとにそれぞれのカラーに合った切り口で企画を提示し、異なる企画として受け取られるように調整することで、同じテーマの企画であっても、より採用されやすくなります。

 

そして、複数の出版社から前向きな反応が得られた場合、理想的なのは先着順で進めるのが良いでしょう。

出版社同士の競合を避けるために、誰が一番早く意思表示をしてくれたかという基準で進めるのが、公平かつトラブルを避ける最善策です。

ただし、著者や企画のバリューが高い場合には、待ってもらえる可能性もあります。

企画が魅力的であれば、出版社側も他社より良い条件を提示してくれることがあり、好条件を引き出すことができるかもしれません。

とはいえ、このようなケースは稀であり、多くの場合、チャンスを逃すことのないように迅速に行動することが重要です。

 

さらに、同時進行で複数の企画を進める場合には、スケジュール管理が非常に重要です。

並行して別々に企画を進めるとなると、進行が遅れるリスクや販促にかけるパワーが散漫になってしまう場合もあります。

それだけに、複数の出版社と同時に交渉を進める場合、それぞれの出版社の編集者と進行スケジュールや原稿の締め切り、プロモーションの段取りに対してしっかりとした計画を立てることが不可欠です。

ちなみに、それぞれの出版社から文句を言われないようにするためには、発刊の間隔を3ヶ月以上あけるようにしましょう。

 

とはいえ、やはり理想的なのは、複数の企画を同時に進めずに1つずつ丁寧に対応することです。

複数の企画を並行して進行させるのことは、売れっ子作家のような感覚になり、魅力的に感じるかもしれませんが、結果的にどっちの企画も中途半端になってしまう可能性がほとんど。

せっかくのチャンスを大切にしながら、着実に成果を積み上げることが、息の長い著者として活躍できる近道だと思います。

 

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2024年9月2日

テーマ:出版社への売り込み

出版社に企画を提案するベストなタイミングとは?

商業出版を目指すのであれば、出版社に企画を売り込む最適なタイミングを狙っていきましょう。

実は、出版への道が少しだけ開けやすくなる時期があります。

それは4月と10月。

この時期は、出版社が次の半年間に発刊する本の計画を立てるタイミングで、企画が通りやすくなります。

 

 

4月と10月は、多くの出版社で半期決算が終わり、新たなラインナップを決めるための大きな編集会議が行われる時期です。

この会議では、発刊する本の数や担当者が決定され、各編集者は新しい企画を探しています。

そのため、この時期に売り込みを行うと、あなたの企画が採用されやすくなるのです。

 

とくにこの時期に求められるのが「定番企画」です。

例えば、「事業計画の作り方」や「会社設立の方法」といった、旬や流行に左右されず、常に一定のニーズがあるテーマが好まれます。

こうした定番企画は、時代を問わず読者に求められ続けるため、出版社にとってもタイミング的なリスクも少なく、ゆとりを持って満足できるまで作り込む形で出版することが可能です。

 

また、定番企画は内容が時流に依存しないため、長期間にわたって安定した売り上げが期待できます。

さらに、こういったテーマは書店でも扱いやすく、常に一定の棚を確保しやすいというメリットもあります。

 

つまり、編集者も作りやすく、売れやすいので、結果的に出版までのハードルが低くなるのです。

 

なので、この時期の売り込みでは、単発の企画よりも、シリーズの後続本としての企画やシリーズ化できる可能性を示す企画の方が喜ばれます。

定番テーマは、深掘りすればするほど新しい切り口が生まれやすいため、後発であってもアイデア次第でいろいろな企画にすることも可能。

編集者に対しても続編や関連本として展開できるという優位性を含めて提案することで、企画が採用される確率をさらに高めることが可能です。

 

ただし、この時期に採用された企画は、時代を問わず読者に求められ続けるということもあり、スケジュールが長めになることがほとんど。

もしかすると、先の長い本づくりの作業にモヤモヤすることもあるかもしれませんが、気を抜かずに頑張っていきましょう。

 

商業出版を実現するためには、本を出すタイミングよりも企画を売り込むタイミングの方が重要です。

出版社が新しい企画を求めている絶好の機会を狙って、用意周到に準備を進め、タイミングがきたら積極的に売り込んでみましょう。

あなたの本が世に出るチャンスを、ぜひ掴んでください。

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