書店回りは、本を出版した著者にとって宣伝や認知拡大のために有効な手段のひとつとされています。
しかし、この行為には出版社や書店員の間で賛否両論があるのも事実です。
「書店回りをすること自体が迷惑なのではないか」と不安に感じる著者も少なくありません。
その背景には、マナーを知らずに行動してしまうケースがあるからです。
では、書店回りを成功させるためには、どのような方法やタイミング、挨拶の仕方に注意すればよいのでしょうか。

まず、最も避けるべきなのは突然の訪問です。
出版社に相談せず、著者が独断で書店を訪れるケースは意外に多いといわれています。
しかし、書店員にとっては予期せぬ訪問は負担になりがちです。
書店は限られたスタッフで多くの業務をこなしており、接客やレジ対応、在庫管理などに追われています。
そのため、突然訪問されると対応の優先順位を乱してしまい、結果として迷惑になってしまうのです。
さらに注意すべきなのは、訪問の時間帯です。
書店には特に忙しい時間帯があります。開店直後や昼休み、そして夕方の17時から19時、さらには閉店直前は来客が集中し、スタッフの手が離せない時間とされています。
この時間に訪問してしまうと、たとえ好意的な目的であっても、書店員の印象を損ねる可能性が高いのです。
したがって、書店回りを行う際には、あらかじめ書店に電話で確認し、負担の少ない時間帯を聞いてから訪問することが望ましいでしょう。
次に、訪問のタイミングも重要です。
せっかく足を運ぶのであれば、書店で自分の本が目立つ状態にあるときが理想です。
平積みや面陳されている期間が最も効果的といわれています。
この期間は通常、発刊から1週間程度です。
つまり、新刊として注目されているうちに書店を訪問し、書店員に著者としての挨拶をすることで、販促効果を高めることができます。
逆に、発売から時間が経過し、棚の奥に移動してから訪れても効果は薄くなります。
書店営業においては「スピード感」が成功の鍵となるのです。
また、訪問時のマナーとして、名刺や簡単な挨拶状を持参すると印象が良くなります。
自分がどのような本を書いたのか、どんな読者に届けたいのかを簡潔に伝えることで、書店員に本の特徴を理解してもらいやすくなります。
さらに、POPや販促物を渡す場合には、書店員の負担にならないデザインや大きさを意識しましょう。
センスが悪い、扱いにくいといった販促物はかえって迷惑になります。
相手の立場に配慮し、丁寧な言葉遣いで短時間で要点を伝えることが、好印象を持たれるためのポイントです。
最後に、書店回りは単なる営業活動ではなく、書店との信頼関係を築く機会であることを忘れないでください。
挨拶に行く目的は「本を売ってほしい」とお願いすることではなく、著者としての感謝を伝えることです。
その姿勢が相手に伝われば、書店員の記憶に残り、結果として本の販促にもつながります。
誠意を持って行動することが、最終的な成功への近道なのです。

