出版企画書を書くということは、ある意味で、自分の夢を紙の上に具現化する行為です。
この数枚の紙が、未来に繋がる扉となる可能性があります。
でも、その扉を開く鍵は、如何に真剣に、そして、如何に丁寧にその出版企画書を書くかにかかっています。
「出版する」という言葉を耳にすると、多くの人はロマンを感じるかもしれません。
しかし、出版するというのは、出版社に出版させてもらうということです。
それは、出版社に自分の企画に投資をしてもらうのに等しい。
だからこそ、出版企画書は極めて重要であり、その書き方には最大限の注意を払わねばなりません。
近年、残念なことに、出版企画書に口語体で書かれているもの、適当に書かれたものが増えています。
まずは、自分の企画に対する情熱と誠意、そして、確固たる自信をもって書くべきです。
でなくては、お金を出してくれる出版社にあまりにも失礼でしょう。
出版企画書は、ビジネス提案です。
ですから、ビジネス文書としての体裁を保ち、尊厳を持って書かねばなりません。
それは出版社に対して、自分の企画に投資をしてもらうという誠実な提案であるからです。
口語体で書かれた出版企画書を読んで、誰が投資する気になるでしょうか?
投資をしてもらうための書類である以上、第三者が真剣に検討するに足る内容と体裁でなければなりません。
少なくとも私は、赤の他人が書いた口語体の出版企画書に対して、真剣に検討する気にはなれません。
自分に向けた出版企画書であれば、百歩譲って許すこともあるかもしれませんが、そんな出版企画書を出版社にお見せできるわけがありません。
それは、自分と出版社との信用問題にもなります。
出版企画書の書き方は、テクニックだけではなく、著者になりたい人の姿勢の問題です。
出版企画書を書くとき、そして、出版企画書を読み返すときには、常にこの一点を忘れずにいてください。
それは、「自分のことを全く知らない赤の他人が、この出版企画書を読んで、300万円以上の投資をするか検討するんだ」ということです。
自分の企画を売り込む際の態度や口振りは、少なからず隠せるものかもしれませんが、出版企画書には隠せません。
出版してもらうという意識、そして、出版させてもらうという感謝の心、この二つがあれば、出版企画書は必ず力強いものになるでしょう。
最後に、出版するというコトは出版させてもらうことである、この尊厳と誠実さを忘れずに、出版の道を歩みましょう。
自分の夢を形にし、未来に繋げる扉を開く鍵を、あなた自身が握っていることを忘れずに。