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カテゴリ:書籍を出したい

2025年4月8日

テーマ:書籍を出したい

出版が決まらない本当の理由と、最初にすべきこと

書籍を出版したいと思っている方とお話ししていると、「出版の準備はそれなりに進めているつもりなのに、なぜか話が決まらない」「実際に何から手をつけていいか分からず止まってしまう」といった悩みを抱えているケースが少なくありません。

編集者として言えるのは、多くの場合、「読者のスタートからの視点と、著者が見ているゴールからの視点とのズレ」があるということです。

 

 

たとえば、出版に関する情報をインターネットで調べていると、「出版社が求めている企画の特徴」や「通る企画書の書き方」「売り込みの仕方」など、ゴールに近い地点のノウハウが豊富に出てきます。

それらは確かに正しい情報なのですが、実際に出版が決まっていない人にとっては、「知ってはいるけれど、自分にどう当てはめればいいのか分からない」と感じてしまうのではないでしょうか。

これがまさに、ゴールからの視点で語られた情報ということです。

スタートにいる読者にとって、ゴールから語られる言葉にリアリティがなく、自分ごとに置き換えられない状態になっています。

 

「こうすれば出版できます」という情報を読むと、一時的には希望が持てて、「自分にもできるかもしれない」と思えるのですが、いざ行動しようとすると、具体的に何をどこから始めればいいのかが分からず、手が止まってしまう…。

この状態は、ノウハウの質が悪いというわけではありません。

むしろ、情報そのものは的確なのです。

問題は、その情報がスタート地点にいる人にとって、「実行に結びつかない形」で伝えられていることにあります。

 

実は、出版に限らずセミナーやコンサル、ブログなどでも同じような傾向があります。

提供されるノウハウがゴールに立った視点で整理されていて、非常に分かりやすく、論理的に組み立てられていても、それだけでは多くの人が動けないのです。

理由は簡単で、スタート地点にいる人には、目の前に立ちはだかる小さな疑問や不安、迷いがいくつもあるから。

そして、それらが行動を妨げる要因になっているのです。

 

実際、ノウハウそのものは間違っていないのに、それが伝わる文脈や視点が間違っているだけで、出版が実現しないんだとしたら、非常にもったいないことです。

伝える側としても、相手がどこからスタートするのかを理解したうえで、その地点に立ち、そこから導いていく視点が求められます。

これは、出版を決めたいのであれば、絶対に最初にするべきことであり、最も成果に近づく第一歩なのです。

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2025年3月10日

テーマ:書籍を出したい

著者とライターの違いと、それぞれの役割と求められるスキル

出版を目指す際に、主に「著者」と「ライター」という二つの立場があります。

これらは一見似ているように思われますが、その役割や求められるスキルには明確な違いがあります。

 

 

著者は、自身の経験や知識、アイデアをもとにオリジナルの作品を創り出す人物です。

小説やエッセイ、専門書など、その内容は多岐にわたり、著者は自らの視点や感性を通じて、読者に新たな価値や視点を提供することが求められます。

そのため、独自の発想力や深い洞察力が重要となり、作品の内容やテーマに対して全責任を負う立場でもあります。

 

一方、ライターは、特定のテーマや依頼内容に基づいて文章を執筆する専門家です。

新聞記事や雑誌の特集、ウェブコンテンツなど、さまざまな媒体で活動しており、クライアントや編集者の要望に応じて情報を整理し、読者に分かりやすく伝えるスキルが求められます。

このため、迅速な情報収集能力や多様なテーマに対応できる柔軟性が必要とされ、客観性や中立性を保ちながら、読者にとって有益な情報を提供することが重要です。

 

具体的な例として、著者は自身の専門分野や経験をもとに書籍を執筆し、その内容に対して直接的な責任を持ちます。

例えば、ある研究者が自身の研究成果をまとめた書籍を出版する場合、その研究内容や解釈についての責任は著者自身にあります。

対してライターはクライアントからの依頼を受けて、特定のテーマに関する記事やコンテンツを作成します。

企業の広報資料や商品紹介の記事を執筆する際、ライターは依頼主の意向や目的に沿った文章を作成し、情報の正確性や読者への伝わりやすさに重点を置きます。

 

また、出版業界には「ブックライター」という役割も存在します。

これは、著者に代わって書籍の執筆を担当する専門家で、著者の考えや経験をヒアリングし、それを文章としてまとめ上げます。

ブックライターは、著者の意図や声を忠実に再現しつつ、読者にとって読みやすい文章を作成するスキルが求められます。

 

このように、著者とライター、そしてブックライターは、それぞれ異なる役割とスキルを持ちながら、出版物の制作に関わっています。

著者は自身のオリジナルな視点や経験をもとに作品を創造し、ライターは特定のテーマや依頼内容に基づいて情報を整理し伝える役割を担っています。

どちらの立場で執筆するかによって、求められるスキルや責任の範囲が異なるため、自身の目的や目指す方向性に応じて、適切な立場を選択することが重要です。

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2025年2月5日

テーマ:書籍を出したい

類書が多くても埋もれないための出版企画の考え方

書籍の出版を目指す人とお話しする機会が増える中で、改めて感じることがあります。

それは、「出版企画はスピードが命である」ということです。

多くの人が、「このテーマで本を出したい!」と熱意を持って相談に来られますが、その内容を伺うと、すでに出版が決定している企画と重なっているケースが少なくありません。

 

 

近年、読者の嗜好は多様化し、ニッチなジャンルの本でも一定の需要が生まれるようになりました。

そのため、一昔前と比べると出版の機会は増えているように見えます。

しかし、その一方で、一つひとつの市場の規模は縮小しており、似たようなテーマの本が何冊も続けて出版されることは稀です。

つまり、「この分野で本を出したい」と考えているのは自分だけではなく、同じようなアイデアを持っている人が他にもいる可能性が高いのです。

そのため、企画を思いついたら、できるだけ早く動くことが求められます。

 

特に、出版社側の視点に立つと、同じジャンルやテーマの本を短期間に何冊も刊行することはリスクでしかありません。

売上が分散してしまうということもありますが、読者が飽和状態に陥り、売そのジャンルやテーマに飽きられてしまうことで、本来であればもっと売れていた本も売れなくなる事態に陥ります。

そのため、先に企画が通った本が優先されることになり、後から似た企画を持ち込んだとしても「すでに類書があるため難しい」と断られてしまうことも珍しくありません。

せっかく優れたアイデアがあっても、遅れを取ることで実現が難しくなることもあるのです。

 

では、どうすれば出版のチャンスを逃さずに済むのでしょうか。

まず、企画段階で長く悩みすぎないことが重要です。

もちろん、しっかりとした企画を練ることは大切ですが、完璧な企画を作ろうとするあまり、時間をかけすぎると、その間に別の人が先に動いてしまう可能性があります。

出版社が興味を持つのは「完璧な企画書」よりも、「今、売れる可能性のあるテーマ」です。

そのため、まずは大枠を固め、早い段階で出版社にアプローチすることが肝心です。

そして、自分の企画と類書の違いを明確にしていきましょう。

同じテーマでも、切り口やターゲット、構成の工夫次第で差別化することは可能です。

例えば、ビジネス書であれば、「初心者向け」「経営者向け」「実践者向け」など、読者層によってアプローチが異なります。

類書がすでにある場合でも、「どのような点で独自性があるのか」「なぜ、今、この本が必要なのか」を明確に説明できれば、出版社にとっても魅力的な企画として受け入れられる可能性が高まるでしょう。

 

出版を目指すのであれば、迷っている時間はありません。

思いついた企画はできるだけ早く形にし、出版社に提案することで、出版の可能性を高めることができることは間違いありません。

出せる企画は早いものがちですから。

先を越されて後悔しないように、今すぐ動き出しましょう。

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