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カテゴリ:書籍の企画書の書き方 - Part 4

2021年11月8日

テーマ:書籍の企画書の書き方

時代に応じた企画書を書けているか

今日、某出版社の編集担当者と呑みに行きました。

出版の企画は、こういう場で決まることが多いので、編集担当者と呑みに行く場合は、あらかじめいくつか企画を用意しておきます。

 

呑みの席なので、積極的に企画を売り込むことはしませんが、話しの流れで企画の相談や売り込み先のアドバイス、担当者の弱点などを教えてもらえることもしばしば…。

これができるのは、編集プロダクションならではの特権ですね。

 

もちろん、我々編集プロダクションはいろいろな出版社に出入りしているので、こちらも情報は豊富です。

先方を飽きさせることはしません(笑)

でないと、なかなか呑みに行く機会自体が増えませんからね。

 

 

で、そんな中、ひと通り情報交換も済ませ、最新の出版事情なども話しました(他にもいろいろと書けないことも…)。

その中で面白かったのが、最近、出版プロデューサーから売り込まれる企画書が通りづらくなったというお話でした。

 

私の知り合いの出版コーディネーターの人は、実力もありますし、中でも営業力は抜群で、かなりの数の企画を出版に導いてきているのですが、そんな彼でもなかなか決まりづらくなっているらしいのです。

理由を聞くと、『企画書が古い』とのこと。

つまり、世の中の情勢や出版業界の動向を見極め、出版社のニーズに応えられる企画書になっていないということです。

 

具体的に言えば、最近では書店で本が売れないため、企画書における『販売協力』の項目の重要度が上がってきています。

重要度が上がってきているということは、項目の順番やその項目の内容も今まで以上に充実させなくては企画は通りません。

他にもテーマの流行りや旬の切り口、著者のフォーカスすべきプロフィールなども同様です。

こういう出版社側のニーズというのは、日常的に出版社の担当者と話していれば分かりますし、一緒に本を作れば、その売れ行きなども教えてもらえるので、すぐにその時の反省を次の企画に反映させることも可能なのですが、出版プロデューサーは、そこまで本作りに深く関わらないので、そこまでのニーズを把握することがなかなかできません。

結果、出版社側のニーズをバージョンアップできず、古いままの企画書になってしまうということです。

これから出版を目指そうという人にとっては、なかなか対策は難しいところではありますが、出版プロデューサーや出版コンサルタント選びの時に、その人はどういう人なのかをしっかり見極めるようにしてくださいね。

でないと、残念なことになりかねないので。

 

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2021年10月11日

テーマ:書籍の企画書の書き方

編集者は読者目線で企画をチェックしています

出版企画書に目を通していると、企画書としてもの凄く完成度の高い場合があります。

もちろん、それだけ完成度が高ければ、企画はすぐに通り、出版されます。

 

しかし、その本が売れません…どういうコトなのでしょうか?

 

当たり前のことですが、どんなに企画が秀逸でもその本を求めている読者がいなければ本は売れません。

 

どういうことかというと、例えば『士業のためのネットで集客する方法』という企画があったとします。

集客に困っている士業の方を対象に、インターネットで集客する方法を解説する内容です。

ターゲットも明確ですし、内容も面白い…。

 

でも、ダメなんです。

 

というのも、士業の方は集客で困っていても、インターネットで集客しようとはなかなか思いません。

つまり、思っていないので、この本が書店に置いてあったとしても、この本と巡りあうことはありません。

どんなに読めば役立つ内容であっても、読者と巡り合わないのですから、その本はそんざいしていないのと一緒なのです。

 

 

実は、こういう事例はたくさんあります。

 

  • スマホで撮った写真はしっかり整理したり、バックアップするべきなのに、ユーザーはそこにあまろ意識がいっていません。(問題に対して読者が問題視していないパターン)
  • ある病気の対処について役立つ内容なのに、発症期間中は本を読める状況にない。 (問題に対して読者が答えを探していないパターン)
  • インターネットで検索数が多いが、インターネットで調べて事足りるため、書店にその悩みを解決しに行かない。 (問題に対して読者が書店に答えを求めていないパターン)

などなど。

 

本を出版するためには、『読者がそこに悩みを持っていて、その解決策を書店に求めているかどうか』この思考が凄く重要なのです。

 

これは最も基本的なことですし、当たり前なことなのですが、企画書の完成度があまりに高いと、その視点が欠落していても出版社の編集者も「この企画、何だか売れそう」と錯覚してしまいます。

ただ最近では、どこの出版社も数々の失敗と反省、分析を繰り返し、今では、この思考をとても重視しているように感じます。

 

企画書ができたら、出版社に売り込む前に、是非、『読者がそこに悩みを持っていて、その解決策を書店に求めているかどうか』という思考で見直してみてください。

それだけで出版実現率は飛躍的に上がりますよ。

 

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2021年7月10日

テーマ:書籍の企画書の書き方

類書がない場合のポイント

出版企画を考える場合、考えた企画に類書があるのかを気にされることってあると思います。

私に届く出版企画書でも、「類書が無いので、この本は売れる」というような文言を多く見受けられます。

 

しかし、出版業界の人間たちは、常に企画を考えています。

それこそ、血眼になって、日々、企画を考えている訳です。

 

それなのに、あなたが考えた企画に類書が無いということは、どういうことなのでしょうか?

ちょっと、考えてみてください。

 

一つは、出版業界の人間には考え付かない企画。

そして、もう一つは、出しても売れそうにない企画。

だいたい、この二つが理由です。

 

しかも、ほとんどの場合が、二つ目の理由であることが多いのです。

つまり、素人考えの「類書が無いので、この本は売れる」というロジックは、通用しません。

 

 

先にも書きましたが、我々、出版業界の人間は、常に企画を考えています。

ということは、よほど斬新な切り口でない限り、出版業界の人間であれば誰でも思いつく切り口ということであり、それが書店で販売されていないということは、二つ目の企画に該当したということなのです。

 

もちろん、一つ目に該当する場合もありますので、全てが全てが二つ目ということではありません。

そして、その場合は、比較的スムーズに企画は採用されることでしょう。

 

もし、類書が無い企画を思いついた場合、企画書を書く前に、是非、「類書が無い理由」を考えてみてくださいね。

 

ちなみに、出版業界では、「類書が無い企画」よりも、「類書が一冊しかなくて、その本が売れている企画」の方が企画は採用されやすい傾向があります。

つまり、リスクを負って新たな市場を開拓するよりも、売れている類書をより売れる形に改善して二匹目のドジョウを狙う方が、ある程度の市場規模や売れ行きもイメージできますし、リスクが少ないと判断されるのです。

 

無理に独自性の高い「類書が無い企画」を考えるよりも、書店で売れている書籍を探して、その書籍をより売れる形に改善した企画を考えた方が、出版への近道かもしれません。

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