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カテゴリ:書籍の企画書の書き方 - Part 2

2023年6月3日

テーマ:書籍の企画書の書き方

出版社の編集者が書籍の出版企画書に目を通す順番

出版企画書を出版社に提出した場合、その出版企画書は実際にどのように編集者の目に映るかを理解することは、著者にとって極めて重要なステップです。

ということで、編集者がどのような視点で、どの順序で読み進めるのかについて詳細に説明します。

 

 

編集者が最初に目を通すのは『タイトル』です。

タイトルは本の顔であり、本の内容を端的に表すとても重要な要素となります。

魅力的なタイトルは、編集者の注意を引き、彼らが詳細を知りたいと思うきっかけとなるはずです。

逆に言えば、タイトルが印象に残らなかったり、混乱を招いたりすると、出版企画書をそれ以上は読んでもらえないと思った方がいいでしょう。

そのため、編集者の興味を引くような書名を作成することは、出版企画書作成の中で最初の重要なステップと言えます。

 

タイトルで引きつけられた編集者は、次に「具体的には何についての本なのか?」という疑問を解消するために、『企画概要』へと読み進めます。

ここでは、本の主題、目的、そして書こうとしている情報や視点を編集者に明示することが必要です。

「なるほど、これは新しい視点だ」「この内容は読者にとって有益だろう」と編集者が納得し、興味を持つような内容にしておきましょう。

企画概要が編集者の期待を満たせない場合、タイトル同様に出版企画書はそれ以上読まれないと思ってください。

 

さらに編集者は、「この著者が、この内容を信頼できる形で提供できるのだろうか?」という疑問を解消するために『著者プロフィール』をチェックします。

著者がその主題について深い知識や経験を持っていること、その分野で一定の認識があること、適切な研究や理解を持っていることなどが重要です。

ここで編集者の期待を満たすことができれば、この企画書が出版の可能性を持つと認識され、その他の項目についてもさらに詳しく読んでもらえるようになります。

また、著者プロフィールがしっかり書かれている場合、その著者プロフィールを起点に編集者から企画を逆提案されることも珍しくはありません。

 

その後、『構成案』や『読者ターゲット』、『著者の販売協力』など、出版企画書の他の項目なども目を通され、最終的な評価が下されます。

これにより、出版社があなたの企画を採用するのかどうかが決定するということです。

 

ちなみに、ここまで説明した項目は、出版企画書において最低限必要な要素です。

一見、他の情報が不必要に見えるかもしれませんが、これらの要素を補完する情報は出版企画書全体の理解を深め、企画の可能性をより具体的に示す役割を果たします。

 

さらに、出版社によっては企画書の特定のフォーマットが決まっていることがあります。

そのフォーマットに沿って書く必要があり、そのプロセスで編集者が自ら考えて書かなければならない項目が出てくる場合もあるでしょう。

そういう時のためにも、情報は多めに渡しておいた方がいいですし、それぞれの出版社による要件の違いを理解している人を頼ることは、出版を実現させる上でとても重要です。

 

出版企画書の詳細な項目やその書き方については、弊社が提供する「企画書の書き方」を参照してください。

商業出版のプロセスは複雑なものですが、各ステップを理解し、最適な方法でそれを進めていくことで、あなたのアイデアが世に出る可能性を高めることができます。

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2023年2月20日

テーマ:書籍の企画書の書き方

本の出版企画書で一番重要な基本

今まで、たくさんの出版企画書に目を通しました。

その中で、やはり、良い出版企画書と悪い出版企画書があります。

 

その違いが何だか分かりますか?

 

 

それは、その出版企画書を読んで、そこで提案されている本がしっかりとイメージできるかどうかです。

 

だって、本の出来上がりがイメージできなければ、その本が売れそうかどうかの判断も出来ませんからね。

これ、出版企画書を書く上で、非常に重要なことだったりします。

 

出来上がりをイメージするということは、その本はどんなサイズの本で、価格はいくらで、色は何色使っていて、ページ数はどれくらいで、中身はどんな構成で成り立っていて、どんなタイトルで、本屋さんのどこに置かれて、そこにはどんな人が来て、まわりにどんな本があって、比較して優位なところはどこで、その人はその本を手に取って、そして、その人はその本をレジに持っていくのか…ということです。

これらのイメージを持たせるために、タイトル、企画概要、構成案、読者ターゲット、著者プロフィール、類書、仕様などの項目を埋めていく感じです。

もし、出版企画書だけで、それらのイメージを想起させることが難しいようであれば、サンプル原稿や誌面のデザインイメージを添えても良いでしょう。

逆に、出版企画書の書き方を気にされる人が多いですが、そもそもその項目は何のために書くのかを理解していなければ、グッとくる出版企画書なんて書けるわけありませんからね。

 

編集者は、本の出来上がりがイメージできて、そのイメージされた本が売れそうであれば、その企画は絶対に通ります。

 

それなのに、この基本的な思考が欠如されている人が非常に多いように思います。

私がブログで書いてきたコトは、この基本的な思考を踏まえた上で、より通りやすい企画書を書くためのテクニックに過ぎません。

 

そういう意味では、出版企画書を企画書というより、提案書として認識されたほうが分かりやすいかもしれません。

 

是非、出版企画書の目的を再確認しましょう。

この基本的な思考が大前提として認識していなければ、どんなに苦労して出版企画書を作っても、その企画が通る確率は限りなく低いので、非常にもったいないですよ。

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2022年8月3日

テーマ:書籍の企画書の書き方

採用される書籍の出版企画書の具体的な書き方

出版を目指すのであれば、採用される出版企画書を作らなくてはなりません。

 

 

しかし、その出版企画書ですが、教える人によってその書き方が大きく異なります。

  • 企画の全てを盛り込み、サンプル原稿まで添えたぶ厚い企画書を推奨する人
  • パッと見で興味を持たせ、読む側の負担にならないようにペラの企画書を推奨する人
  • とにかくプロフィールを作り込み、著者の販売力をアピールさせる企画書を推奨する人

企画書での必須項目も含めさまざまです。

全ては実績に基づく経験からその書き方を推奨しているので、仕方がありません。

つまり、出版企画書に正解は無いのです。

 

ここからは、完全な私見を書きます。

 

出版企画書は、単に企画を説明するだけではありません。

とくにインターネットが普及し、出版企画書を売り込みやすい環境になった昨今では、企画書を通じて著者の社会性もチェックされていることは忘れてはいけません。

また、出版企画書をどう位置づけるかをイメージすることも重要です。

 

私の場合、出版企画書は企画に興味を持ってもらい、話す場を確保するためのツールだと思っています。

なので、企画の全てを書き込まず、「答えを知りたい」「詳しく聞きたい」と思わすところで留めます。

なぜなら、企画の魅力を文字だけで伝えるのは困難だからです。

身振り、手振り、声のトーンやテンションなども含めて説明した方が、出版社の編集者には伝わります。

 

また、読んで分かってしまう出版企画書だと、会っても何も話すことがありません。

出版企画書を音読するは、お互いに時間の無駄ですし、そういうのを出版社の編集者は嫌う傾向にあります。

だからこそ、口で説明する余地を残す必要があると思うのです。

 

あとは、厚さを見ただけで読む気が失せることもありますので、それを回避する狙いもあります。

 

いずれにしても、出版企画書の体裁は、営業する人の売り込みの手法や営業スタイルに合わせる方が上手くいくことは間違いありません。

これは、出版企画書を書く著者の売り込みの手法や営業スタイルではなく、実際に出版社へ売り込みに行く人の売り込みの手法や営業スタイルに合わせなくては意味が無いので、注意しましょう。

 

弊社にも、他の人に教えてもった出版企画書の書き方で書いた企画書を、出版が決まらなかったので、弊社で売り込んで欲しいという相談がよくあります。

しかし、弊社にしてみれば、こういう企画書は扱いづらいことこの上ないのです。

もちろん、道義的な問題もありますし…。

 

最後に、直接出版社に売り込む場合に私が最適だと思われる企画書を書いておきます。

 

郵送で送付場合、著者が東京へなかなか上京できないエリアに住んでいる場合は、ぶ厚い企画書が良いでしょう。

ただし、この企画書で出版を決められるだけの内容にしなければ、連絡はいただけないと思ってください。

敷居は高くなりますが、連絡が来た時は、かなりの確度で出版されるはずです。

 

メールで送信する場合、著者が東京近郊に住んでいる場合は、ペラの企画書が良いでしょう。

やはり、会って説明した方が企画は通りやすいです。

そのためにも、いかに「答えを知りたい」「詳しく聞きたい」と思わせ、いかに気軽に連絡してもらえるようにするかがポイントになります。

ただし、会う場合は沈黙は印象があまりよくありませんので、人見知りするのであれば、ぶ厚い企画書にした方が良いかもしれません。

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