このブログでは、再三、『一冊目は自分のリソースの中で一番売れそうなネタで出版しましょう』と書いてきました。

それでも、「せっかく出版する以上、書きたいことで出版したいです」と言って、書きたいことで企画書を書かれる方が多いです。

考えれば分かることですが、出版するということは、出版社があなたの企画なら売れると思って、費用を負担して出版できるんです。

つまり、出版社はあなたの企画に投資をしてくれるということになります。

それなのに、当の本人が売れるかどうかより、書きたいことを優先するのって、出版社にとって失礼だとは思いませんか?

もちろん、理想なのは、『書きたいことが一番売れそうなネタ』です。

そんなことは分かっています。

でも、現実はそんなに甘くはありません。

それでも書きたいことで出版したいのであれば、あとは、その企画が売れるであろう根拠を出すしかありません。

自分の販売力をアピールしても構いませんし、読者ターゲットの市場規模をアピールしても構いません。

いずれにしても、素人マーケティングによる、あなたの意見は意味がありません。

できるだけ数値化した根拠、第三者による客観的な資料などを用意するようにしてください。

逆にいえば、それを用意できるということは、その時点で『書きたいことが一番売れそうなネタ』ということになりますよね。

つまり、理想的な形で出版できるということです。

もし、書きたいことで出版したいのなら、売れる根拠をできるだけ詳しく書くようにしてください。

ちなみに、“書きたいこと”と“売れること”のすみ分けですが、基本的には、担当編集者に理解できない企画は、ほぼ全て“書きたいこと”だと思って間違いないと思います。

どんなに“売れること”だったとしても、担当編集者が理解できなければ、それは“書きたいこと”でしかありませんから。

その場合は、売れる根拠を提示するか、違う出版社に売り込しかありませんね。

過去にも同じ企画書を違う出版社に持っていったら、あっさり通ったことはたくさんありますから。