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カテゴリ:書籍が発刊されたら

2022年7月20日

テーマ:書籍が発刊されたら

ロングセラー作家として著書を息の長い本にするためには

最近では、出版された書籍が発売されても、すぐに売れない本は、翌月には大量に返本されてしまうようです。

返本されるということは、本屋さんから本がなくなるということですから、その後、その本が売れるという可能性は著しく低下するでしょう。

 

これは、毎日毎日200点以上の本が発売されていることに起因しており、毎日毎日送り込まれる新刊たちと、現在本屋さんに置かれている本との間で、限られた本屋さんの棚に置かれるための熾烈な生存競争を繰り広げいているのです。

 

 

なので、自分の著書を息の長い本にするためにはいくつかの工夫をしなければなりません。

 

そのひとつが、元棚が明確になっている本にする」ということです。

元棚とは、書籍が本来置かれる棚のことを言います。

棚というのは、ご存知の通り、書店にある棚ですが、棚はカテゴリー分けをされております。

つまり、どこのカテゴリーの棚に置くべき書籍なのか明確になっている本でないと、最初の生存競争で敗北してしまうということです。

書籍は、発刊されると、まず、各棚の前に平積みで置かれます。

そこで売れれば、より目立つ場所に移動になります。

しかし、結果がでないと、次の新刊と差し替えられるのですが、その時、置く棚が明確だと、棚差しされますが、どのカテゴリーに置くべき書籍なのかが不明瞭だと、返本される傾向にあるのです。

大手書店では、棚もかなり細分化されておりますので、置かれたい棚のキーワードが書名に入るようにすると良いでしょう。

 

次のポイントは、その元棚での定番本を狙うというもの。

各カテゴリーの棚には、それぞれいろいろな切り口の本が置かれていると思います。

切り口にはブームなどがありますので、コロコロ入れ替わるのですが、なかなか入れ替わらずに長きにわたり鎮座している本が定番本です。

定番本というのは、その棚の中で一番分かりやすく、基本的なことが書かれている、一冊目需要に応えている本を意味します。

この定番本は、次のより良い本が出るまで鎮座し続けられるだけですなく、既刊の定番本を分析して、その本より良い本を作ればいいわけですから、そこを狙うことはそれほど難しくはありません。

だって、後出しジャンケンですからね。

 

ということで、元棚が明確で、その元棚の定番本になる本を企画することで、あなたの本はロングセラーになりますし、あなた自身もロングセラー作家になることができるのです。

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2022年1月27日

テーマ:書籍が発刊されたら

あなたの2冊目が決まらない理由

基本的に1冊でも本を出版して、その本がしっかり売れていれば、2冊目の出版は簡単に決まるものです。

著者の多くも、そう思って販促を頑張っていることと思います。

 

 

ただ、だからといって、売れれば何でもいいというわけではありません。

とにかく、売れているのにも関わらず、なかなか2冊目が決まらないのであれば、それにはそれなりの理由があるということです。

 

その理由は、だいたい3パターン。

 

○本は売れているが利益がなっていない場合

本を売ること自体は、お金をかければ、ある程度は売れるのですが、重要なのは利益です。

利益が残らなければ、本が売れてもあまり意味がありません。

つまり、薄利多売はリスクが高いので、あまり好まれません。

印税率や初版部数を交渉する出版プロデューサーもいらっしゃいますが、そういう方の紹介される著者も2冊目目は敬遠されがちです(1冊目は義理などもあるので、通りやすいですけどね)。

 

○本の企画などが合わない場合

出版社には、出版社ごとのカラーがあります。

なので、1冊目が売れたからといって、2冊目は何でもいいわけではありません。

2冊目もその出版社のカラーに合ってなければ、出版社としては出したいけど出せないということになると思います。

 

○著者と関わりたくないと思われた場合

出版はビジネスですが、だからといって結果だけを見ているわけではありません。

出版社の編集者も人間ですから、感情があります。

1冊目の過程での著者とのやりとりや出版後の対応など、それらのやりとりの中で『もう二度と仕事をしたくない』と思われたら、1冊目がどんなに売れたとしても、2冊目はありません。

1冊目は企画が通った以上、予定通りに刊行しなくてはならないので我慢しますが、それが終わったら解放されますので、そういう感情がけっこう重要だったりするのです。

 

考えてみればすぐに分かりそうなことばかりですが、なかなか内情は分からないという人が多いともいます。

旗から見ていて、それって凄くもったいないと思ったので、書いてみました。

 

はじめての出版の時には、すでに2冊目の道がはじまっていると思ってくださいね。

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2021年7月19日

テーマ:書籍が発刊されたら

出版社が倒産した場合について

長きにわたる出版不況の上に若者の活字離れ、スマホの台頭など、時代の移り変わりの中で、出版社の倒産も増えてきている状況です。

そこで今回は、出版社が倒産した場合について書きたいと思います。

 

 

まず、出版社とはいえ企業ですので、倒産するまでには民事再生での再建を目指した上で、ダメなようなら倒産となります。

当然、民事再生であれば、再建の可能性は残されますので、印税や原稿料に関しては、額は目減りする可能性はありますが、支払われる可能性はまだあります。

 

しかし、倒産となりますと、出版社は管財人の手に渡り、出版社の人間とさえ連絡が取れなくなります。

例え出版社の人間と連絡が取れたとしても、その人が経営陣でなければ、ほとんど社内の状況について教えてもらえません。

教えてもらえないというより、その人も知らないというのが実情だと思います。

管財人は、その会社に残った資産を計算して、債権者に分配することになるのですが、出版業界の場合、印刷屋さんや紙屋さんは、一冊あたりの金額もさることながら、支払いサイクルが長いため、その間に積み上げた負債はかなりの金額に達します。

しかも、一社の出版社は、決まった印刷屋さんや紙屋さんを使い続ける傾向があるため、ますます被害は大きくなります。

そうなると、残った資産は負債額の比率で分配されますので、微々たる金額しか受け取ることができません。

(今までの経験で言うと、受け取れたことはありません)

 

つまり、出版社が倒産した場合、泣き寝入りせざる得ない状況になるのがほとんど。

 

そうならないためには、事前に出版社の与信を管理する必要があるのですが、今まで景気が良いと言われたことの無い業界でもありますので、細かいポイントはいくつかありますが、与信を管理するにも限度があります。

「大きいから安心」とか、「中小だから危険」ということは、あまり関係ありません。

かといって、与信の管理を意識しすぎて、印税などのの支払い条件に口を出すと、どこからも本を発行できなくなる危険性もあります。

 

では、そんな時、著者はどうすればいいのでしょうか?

 

まず原稿が出来上がった時点で出版社が倒産した場合ですが、本ができあがっていないのであれば、その原稿は他の出版社に売り込むことは可能です。

また、本ができあがっている場合は、一回、市場に出た以上、改めて発刊するには、すでに必要な人は買ってしまっている訳ですから、伸びしろが少ないと判断されてしまうため、かなり売れた本以外は他の出版社による買い取りは厳しいでしょう。

 

すでに本ができていれば本は残りますが、できていなければ他の出版社での出版が決まらない限り、形にすら残らないため、その本に関する労力は全て無駄になってしまいます。

それを踏まえて考えると、本を出す以上、ある程度リスクを覚悟しておくべきなのかもしれません。

それぐらい、経営状況が芳しくない出版社は多いようですから。

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