出版企画書における著者プロフィールの作成では、著者が運営する各種メディアを明記することが重要です。

ブログ、SNS、YouTubeチャンネル、メルマガなど、どのようなメディアであれ、編集者はそれを通じて著者の「与信力」や「販売力」を測ります。

与信力とは、要するにその人が信頼できる人物かどうか、また社会的信用がどれだけあるのかの判断材料にすいるということです。

一方、販売力とは、実際に著者がどの程度の影響力を持ち、どれだけの読者に自らのメッセージを届けられるのかを示す尺度になります。

出版は商業行為ですから、こうした評価はごく自然な視点であるといえるでしょう。

 

 

しかしながら、単にいくつものメディアを持っていることを示すために、無闇にリンクを羅列することは避けるべきです。

特に個人でビジネスをされている人が運営しているブログなどは注意が必要です。

その理由としては、他と差別化を図るために、また読者に親しみを持ってもらうために、ブログの内容やデザイン、タイトル、使用する言葉などに個性を盛り込もうとしてしまっているから。

その工夫自体は決して悪いことではありません。

むしろブランディングの一環としては有効ともいえます。

しかし、その「個性」が出版においてはマイナスに働くこともあるのです。

 

出版業界においては、著者の人柄やキャラクターよりも、出版物の市場価値が重要視されます。

つまり、編集者があなたのブログを見たとき、「この著者の本は売れそうだ」と判断されるかどうかがすべてなのです。

例えば、あまりに奇抜なブログタイトル、自己流すぎる文章の書き方、内輪ノリのような表現、誤解を招くような肩書き、過度に感情的な発信などは、たとえ読者ウケがよくても、編集者の目にはマイナス要素として映る可能性があります。

実際に、プロフィールに記載されたブログを編集者が確認し、その内容や印象によって企画が却下されてしまった事例もあります。

そして、一度、「この人とは組めない」と判断された場合、その印象を覆すのは非常に難しいです。

現実の社会と同じで、第一印象で失った信頼を取り戻すのは容易ではありません。

そのためにも、著者プロフィールにメディアを記載する際は、その内容を客観的に見つめ直しましょう。

例えば、自分のブログが初めて見る人にどのように映るか、見た目の印象や文章のトーンは適切か、名前の名乗り方はビジネスにふさわしいか、ブログの構成や情報の信頼性は確保されているか、といった点を慎重に確認してください。

加えて、検索エンジンからの評価を考えると、Googleのガイドラインに反するようなSEOテクニック、過剰なキーワード詰め込み、誘導的リンクの多用といった行為は避けなければなりません。

質の低いコンテンツと見なされれば、Googleからペナルティを受け、検索順位が著しく下がるリスクがあります。

これは読者だけでなく、編集者にも悪印象を与えかねません。

 

出版において、編集者は著者の一番のファンではなく、冷静な「売れる商品」の見極め役です。

なので、出版企画書における著者プロフィールでは、「自分の世界観」や「個人的なこだわり」を前面に出すのではなく、あくまでも「その企画を実現させるにふさわしい著者」であることを示すプロフィールにするように心がけましょう。

また、掲載する各種メディアを明記することの意義も理解した上で、どこまでをプロフィールとして掲載するかを適切に判断してください。

結果的に、その判断が出版の実現を近づけてくれるはずです。