著者になると、アマゾンキャンペーンをすることが慣例となっています。
かつては、アマゾンでの露出を最大化し、その結果をリアルの書店販売に波及させることを目的として、多くの著者や出版社がこの戦略を採用してきました。
しかし、最近ではアマゾンキャンペーンの効果が以前ほどではなくなってきているという声が業界内外から聞こえてきます。
これは、キャンペーンの乱発により、その新鮮さが薄れ、読者の反応が鈍くなっているためです。
アマゾンキャンペーンの本来の目的は、新刊書籍の初速をつけ、アマゾン上でのランキングを上げることにより、書籍の存在を一般の読者に知らしめることにあります。
ランキング上位になることで、書籍の可視性が高まり、それが購入促進につながるというわけです。
しかし、この戦略が広く知られるようになると、多くの書籍が同様のキャンペーンを行うようになり、結果としてその効果が薄れてしまいました。
アマゾンキャンペーンの目的は、単にランキングでの上位に留めることではありません。
SNSなどで露出を増やすことで、友達だけではなく、友達の友達という本来買ってもらえる関係性ではない人たちにも買っていただくことが可能です。
また、SNSなどで露出を増やすことで、既視感を持たせ、書店で見た時に手にとってもらう効果もきたいできます。
さらに、アマゾンキャンペーンの結果、一時でもAmazonのカテゴリーランキングで1位になることで、その後、「Amazonで1位」という称号を手に入れることも可能です。
ただし、アマゾンキャンペーンを行ったことが、リアルの書店での取り扱いに悪影響を及ぼす可能性もあります。
書店側は、アマゾンでのキャンペーンにより、書店での需要が減少すると判断する可能性があるためです。
アマゾンキャンペーンは、ただ単にキャンペーンを行って終了なのではなく、その後のフォローアップやリアルの書店との連携も重要です。
フォローアップとしては、キャンペーンを通じて得られた読者の興味を維持し、さらに拡大するための戦略が必要です。
例えば、キャンペーン期間中だけでなく、その後も継続的にSNSやブログでの情報発信を行い、読者とのコミュニケーションを図ることが挙げられます。
リアルの書店との連携については、キャンペーンを通じて得られた読者へ近くの書店での著者の目撃情報を共有したり、大型書店の近くでセミナーを行い、購入を促すことも可能です。
例えば、近くの書店で購入して持参した場合、セミナー参加費を本代以上の値引きを行うことなどが挙げられます。
アマゾンキャンペーンを成功させるためには、ターゲットとする読者層の明確化や、キャンペーンの目的をはっきりさせることが重要です。
どのような読者に書籍を届けたいのか、そして、そのために何をすればいいのか、キャンペーンを通じて何を達成したいのか、キャンペーンの結果をその後にどう活かすのかなどを明確にしましょう。
そして、それに基づいた戦略を立てることが成功の鍵を握ります。
最後に、アマゾンキャンペーンはあくまで出版マーケティングの一手段です。
出版マーケティングを成功させるためにも、まずは読者にとって価値のある内容を提供し、口コミやリピート購入につながるような書籍を作ることが大前提となります。
その上で、このような視点から総合的に考え、アマゾンキャンペーンを含めた出版マーケティングを実行することが重要です。