「商業出版を目指しているけれど、『何を書いたらいいのか分からない』『自分には書くべきことがない』と悩んでいる」という相談をよく受けます。
しかし、私はすべての人に一冊の本を書ける可能性があると考えています。
これまでの人生の中で、何も伝えるべきことがないという人はいないはずだからです。
商業出版で本を出したいけれどテーマが見つからないと感じている場合、まずは「自分の強み」や「他の人に価値を提供できる部分」に目を向けてみましょう。
過去に、ある方から「とにかく本を書きたい」というご相談をいただきましたが、最初は具体的なテーマがなくても、4時間ほど丁寧にヒアリングを行う中で、次第に価値あるアイデアが見つかり、企画書としてまとめ、実際に出版を実現させた経験があります。
ただ、このような形で出版が実現することは珍しくありません。
つまり、出版したい人の多くは、自分では気づいていないものの中にこそ、出版にふさわしい価値あるコンテンツが眠っていることが多いのです。
経験豊富な編集者とじっくり話をすることができるなら、自分が無意識に見過ごしている「伝えるべきこと」を見つけられる可能性が高まります。
彼らは、あなたの中にあるコンテンツに価値付けさせるプロですからね。
しかし、誰もがすぐに編集者と対話する機会を得られるわけではありません。
そこで、まず自分で出版のテーマを見つけるために役立つ方法をお伝えします。
最初のステップは、周囲の反応を観察することです。
具体的には、以下のポイントに注目してみてください。
- よく褒められること
- 他人に自慢したくなること
- 周囲を驚かせた経験
- 自分の行動が誰かを喜ばせたこと
- 他の人から頼られることや相談されること
- 自分に関する質問を受けること
これらの場面での周囲の反応が、あなたが本にまとめるべきテーマのヒントになることが多いです。
なぜなら、これらは他の人から見て興味深く、価値のあると感じられる要素が詰まっているからです。
普段から周囲の反応に敏感になることで、意外なところに自分の強みやユニークな視点を見つけられるかもしれません。
それでもテーマが見つからない場合は、異業種交流会や勉強会に参加し、自分のことを紹介してみてください。
自己紹介の際、相手が特に興味を示した部分があれば、それがあなたの本のテーマのヒントになることがあります。
例えば、私自身も、異業種交流会での自己紹介から出版プロデュースを始めるきっかけを得ました。
そこでの反応を通して、自分のスキルが他の人にとって価値あるものだと気づいたのです。
このように、日常のささいな場面や他者との交流の中に、自分が本にまとめるべきテーマやアイデアが眠っていることは少なくありません。
視点を少し変えて、日々の経験や交流を見つめ直すことが、商業出版への第一歩になるでしょう。