ビジネス書や実用書の出版を目指す場合、多くの人が熱意を持って原稿を書き上げ、出版社に持ち込もうとする人がいます。

この情熱は尊いものですが、出版のプロセスを考慮すると、必ずしも最適なアプローチとは言えないのが現実です。

 

 

原稿を書くこと自体は、アイデアを形にする素晴らしい行為です。

しかし、出版社にとっては、企画の魅力や市場性を判断するための情報が不足しているため、原稿だけでは評価が難しかったりします。

そのためには、原稿よりも、やはり出版企画書が不可欠です。

 

出版企画書は、あなたのアイデアやビジョン、そして市場での成功の可能性を出版社に伝えるための重要なツールです。

出版企画書には、本のコンセプト、ターゲットとなる読者層、市場での差別化ポイント、販売戦略など、出版社が知りたいと思う情報が網羅されているはずで、これにより出版社があなたの出版企画を具体的に検討することになります。

 

ある日、弊社に一冊分の原稿がプリントアウトされて送られてきました。

しかし、その原稿には出版企画書が同梱されておらず、内容を理解するためには、すべてを一読しなくてはなりません。

出版できるかどうかが確定していない原稿を読む暇はありません。

なので、すぐに「原稿の内容を出版企画書にまとめて送信してください」と返信しました。

これは、原稿だけではなく、その背後にある出版企画の全体像を把握するためです。

 

出版社にとって、原稿はあくまでも商品。

その商品が市場で成功するかどうかは、やはりコンセプトが大事というのは、何も出版物に限ったことではありません。

そして、出版において、そのコンセプトなどがまとめられているのが出版企画書ということです。

 

原稿を持ち込む前に出版企画書を用意することで、出版社はその出版企画が市場で成功するかどうかの可能性をより正確に評価できます。

そして、その出版企画書を見ることで、問題点を把握し、修正することも可能です。

しかし、原稿が完成してしまっていると、出版社としては提案された内容に対して、「はい」か「いいえ」で回答するしかできません。

 

出版を目指す人にとって、出版企画書は自分のアイデアを出版社に伝え、共感を得るための最初のステップです。

原稿を書く前に、まずは企画書を練り上げ、出版社に売り込むことが重要です。

そして、出版社からサンプル原稿の要求があった場合にのみ、その部分を執筆することが効率的です。

 

つまり、出版企画書を用いたアプローチは、時間と労力を節約し、出版への道をスムーズにするための鍵となります。

あなたの情熱とアイデアを形にするために、まずは出版企画書から始めましょう。