執筆していただいた原稿は、そのまま本になるわけではありません。
誤字・脱字のチェックや文章の修正、事実確認や事象検証などを繰り返しチェックします。
これは、書籍を発刊する出版社にも発刊責任というものがありますし、何より商品価値をできる限り高めなければ、本は売れないからです。
しかし、手を加えなければ商品価値がほとんど無いような原稿を上げてこられる著者さんほど、「勝手にいじるんじゃねぇ!」とか「この原稿は私の作品なんですよ!」と怒ります。
もちろん、手を加えなければ商品価値がほとんど無いわけですから、そこを怒ってしまうと出版は中止せざるを得ないのです。
手を加えるのは、弊社のような編集プロダクションだけではなく、書籍を発刊する出版社の担当編集者さんの場合もあります。
弊社のような編集プロダクションだと著者の意向も聞いていたりするので、修正の方向に意向を汲むことは可能なのですが、出版社の担当編集者さんだと、より売れる本を作るために容赦ない場合も多いため、尚更です。
その都度、間に挟まれて右往左往するのですが、やはり出版する以上、お金を出すのは出版社ですから…せめて、冷静に話してもらいたいものです。
実際、それで発刊が中止になった著者さんもいらっしゃいますからね。
自分の書いた原稿への思い入れはよく分かるのですが、著者というのはベストセラーを出していない限りは先生ではありません。
自分の思い通りに書いた原稿が、そのまま本になるのは先生と呼ばれる著者さんぐらいです。
出版が決まったからといって、先生として認められたわけではありません。
不満があるのは仕方がないことなので、そういう場合でも冷静に対応し、互いに商品価値の高い書籍を作るというところでの意識統一をしてもらいたいものです。