出版を目指す皆さんにとって、企画の魅力や新しさはもちろん大切ですが、それと同じくらい重要なのが、著者自身のプロフィールです。
出版の世界は競争が激しく、多くの素晴らしい企画が日々生まれています。
しかし、その中で選ばれるためには、企画だけでなく、著者自身の背景や経歴、信頼性が大きく影響するのです。
出版を目指している方々が考える企画は、新しいテーマや切り口、ターゲットを持つものが多いです。
私もそれらの企画を読むと、その独自性や魅力に引き込まれることがしばしば。
しかし、出版社に企画そそのまま提案をしても、多くの企画が編集会議で採用されない現実があります。
その理由として、著者のプロフィールが挙げられることが実はほとんどなのです。
著者のプロフィールは、その人がそのテーマについて語る資格や必然性、信頼性を示すものです。
例えば、特定の分野での専門的な経歴や実績、資格などがある場合、そのテーマについての説得力が増します。
逆に、関連性の薄い経歴や実績しかない場合、そのテーマについての説得力は低くなります。
また、著者プロフィールを書く際には、過度な誇張や煽りは避けることが大切です。
誇張や煽りがあると、読者や出版社はその内容を疑問に思う可能性があります。
そのため、事実に基づいた内容を、分かりやすく、丁寧に伝えることが求められます。
出版は、出版社が著者の企画に投資をするようなものです。
そのため、出版社はリスクを取るわけですから、そのリスクを最小限に抑えるために、著者の信頼性や説得力を重視します。
著者プロフィールは、その信頼性や説得力を示すための大切なツールなのです。
最後に、出版を目指す皆さんに一つアドバイスをします。
著者プロフィールを書く際には、自分の経歴や実績を客観的に見つめ直し、その中で最も魅力的なポイントをピックアップして伝えることが大切です。
例えば、あなたが投資家なのであれば、「2000年に○○証券に入社し、ディーラーとして活躍」という人と「○○証券に入社し、20年間ディーラーとして活躍」という人のどちらの方が信頼性や説得力がありますか?
たぶん、同じ人だったとしても、紹介のしかたで後者の方が凄そうに見えますよね。
著者プロフィールも同じということです。
つまり、自分の経歴や実績の価値を分かりやすく、丁寧に伝えることで、出版のチャンスを掴むことができる可能性が上がるのです。