「書店まわり」、出版した著者が書店を訪問し、自分の本を売り込む行為。
その必要性について、出版関係者や書店のスタッフからさまざまな意見が出ます。
全国チェーン書店の本部の方は、「書店まわりはドンドンやった方がいいですよ。
書店員は喜びますよ~」と述べています。彼らの立場からすると、著者が訪れることで書店に活気が出るという意見。
書店員が直接著者と接することで、その本に対する理解や興味を深める機会になります。
しかし、全国大手書店の都内店舗スタッフは、「売れてない本の著者がお見えになっても…これが慣例化したら毎日何人もの著者が来ちゃって仕事になりませんよ~」という意見。
特に大都市の店舗では、スタッフの作業量は膨大であり、著者が直接来店することで作業効率が落ちる可能性があります。
一方、全国大手書店の地方店舗スタッフは、「こんなところまで来てくれる著者さんがいらっしゃるのなら、大歓迎ですよ」と、逆に著者の訪問を喜びます。
地方の書店では、著者の来店自体がレアな事態であり、地元の顧客に対するサービスやプロモーションとして効果的だからです。
都内中堅書店の店舗スタッフは、「来ていただいても構わないのですが、こちらから話すことは無いので…書店員は人見知りが多いと思うので、沈黙があると嫌になりますね」と述べています。
書店員の中には、本については詳しくても、対人コミュニケーションが得意でない人もいるため、一方的な話だけでなく、互いに意見交換できる場を設けるべきという意見です。
近郊中堅書店の店舗スタッフは、「うちはお断りしてます!勝手に棚を移動したり、店内で写真を撮ったりしてたので…」という意見。
訪問のマナーを守らない著者の行動が原因で、書店訪問を拒否する店舗もあります。
出版社の立場からは、大手書籍出版社では「営業に事前に連絡して、やる分にはOKしてますよ」や「行ってナニ話すんですか? お土産があるんなら構いませんが、営業と同行にさせてください」といった声が聞かれます。
事前連絡や同行が求められるのは、著者と書店とのコミュニケーションに出版社が中間的な役割を果たし、適切な情報伝達を図るためと考えられます。
一方、中堅書籍出版社からは、「勘弁してください。ウチが長年かけて築いてきた信頼関係なので、勝手なことをされるのは困るので…」や「地方ならいいですよ~ 都内はこちらで回るので、POPとか渡して欲しいなら会社に送ってください」という意見が出ています。
これらの発言からは、出版社と書店との間にある細やかな信頼関係の重要性や、それぞれの地域や書店の事情に応じた柔軟な対応が求められることが伺えます。
これらの発言はすべて現場担当者の声であり、書店まわりについての見解は大きく分かれています。
あなたは、誰の、どの声を信じますか?
各著者が自分自身の状況を考え、適切な判断を下すことが求められます。