商業出版を実現させるために重要なことは、実は企画云々よりも、出版社の担当編集者に「この人と仕事がしたい」「また一緒に仕事がしたい」と思わせられないと難しいです。
これは媚を売れという話しではありません。
編集者は、あまり媚を売られることを快く思っておりませんので、それは逆効果になります。
では、どんな人を求めているのか?
それを考えるために、先に編集者ってどういう人かを考えてみましょう。
本を編集している訳ですから、コンテンツホルダーというよりは、知的好奇心の塊だと思った方がいいでしょう。
つまり、自分が知らないことや面白そうだと感じることに対する好奇心には凄まじいものがあります。
なので、コンテンツはもちろんですが、経験や思考(考え方)なども含めて編集者の興味関心を惹けるかというのがポイントです。
また、編集者には一緒に本を作るパートナーという側面もあります。
しかも、編集者は著者のしりぬぐいをすることがほとんど。
なので、「この人のためなら徹夜してでもいい本にしてあげたい」と思わせる人間性は絶対に必要だと思ってください。
編集作業というのは、本の完成度を高めるための正解のない作業です。
編集者の気持ちひとつで、どこまで突き詰めるかが決まり、それが本の完成度に大きく影響します。
もし、編集者との相性が合わない場合は無理せず、他の出版社にあたることも考えましょう。
その上で、一緒にモノづくりをする訳ですから、作るモノに対してのエゴというか執着のようなものは無い方がいいでしょう。
客観的に見る視点、読者優先の考え方、イイ本を作ることに妥協しないマインドなどはあって欲しいですね。
この企画をこの読者ターゲットに届けるためには、何をどうすれば伝わるのか、どうやって表現すれば伝わるのか、そういうことを意識した原稿と、意識しないで書かれた原稿では雲泥の差があります。
編集者が唸るような言葉選びのセンスや読者のハートを鷲掴みするコピー力などもあったらさらにいいですね。
直接的にコピー力が必要なわけではありませんが、タイトルや章タイトル、節タイトルは、キャッチコピーのようなものです。
そういうところに光るものがあると、本全体のクオリティがグッと上がります。
あとは、意外に思われるかもしれませんが、基本的な社会常識と自己管理も必要です。
参考にしたものがあればすぐに報告して欲しいですし、原稿の進捗状況は連絡してもらえると安心できますし、締め切りに間に合いそうもなかれば早めに相談してもらいたいものです。
締め切りに向けての工程管理や体調管理、時間管理なども当たり前ですが持っていてもらいたいと思います。
一緒に仕事をする上で、お互いに信頼関係が作れるかどうかはかなり重要なポイントになります。
打ち合わせの中でも、そういうのはチェックされていると思った方がいいでしょう。
SNSで呑み歩いている投稿を散々しておいて、締め切り遅れる人とか、本当にありえませんよ。
最後に編集者は社内で著者の企画を紹介し、プッシュして、採用させるために尽力いたします。
それだけのことをする以上、著者には責任感と感謝の気持ちはもっていて欲しいですね。。
本を書ききる、締め切りを守る、本を売る…出版は編集者との信頼関係の上で成り立っており、そこに契約などはありません。
そのせいか、グダグダになる人も多いですが、やはりしっかりと責任感をもって取り組んでもらいたいものです。
あと、本が発売された後の感謝もですね。
本さえ出ればこっちのものよろしくな著者って結構多いですが、そういう著者は二冊目、三冊目に影響しますよね。
過剰にお礼などをする必要はありませんが、感謝の気持ちは忘れないで欲しいものです。
これだけのことを守っていただければ、間違いなく編集者に愛される著者になるはずなので、イイ本も出来上がるでしょうし、その本も売れると思います。
そして、何よりも息の長い著者として、活躍できると思いますよ。