出版プロデューサーなどによる出版セミナーに参加すると、必ず、以下の2つの話しが出ます。

 

「出版社は企画を探しているので、どんどん企画書を送りましょう」

「出版社は企画を募集しているわけではないので、送っても読んでくれません」

 

こういう話しを聞くと、「じゃあ、どうすればいいの?」と思いませんか?

 

 

この2つの話し、一見、真逆の話しのように見えます。

ただ、実は言葉が足りないだけで、この2つの話しは成立するのです。

 

では、それについて解説しますね。

 

まずは、「出版社は企画を探しているが、募集はしていません」について。

 

出版社は、いつでも面白そうな企画、売れそうな企画を探しています。

これは紛れもない事実です。

 

ただし、あくまでも探しているのは、面白そうな企画や売れそうな企画であって、何でもいいわけではありません。

 

ようは素人が考えた売れるかどうかもわからない企画や自己満足の企画を探しているわけではありませんし、そもそも素人が考えた企画自体を募集してはおりません。

 

これって、お金持ちになる方法と同じです。

お金持ちになる方法は誰しもしりたいと思いますが、何処の馬の骨とも知れない胡散臭いお金持ちになる方法は求めてはいないですよね。

 

次は、「出版社は企画を募集しているわけではないので、送っても読んでくれません」についてです。

 

出版社にいる編集者の多くは出版企画書を読むかどうかについても、一応、目を通そうとはしてくれます。

ただし、日々の業務に追われ、お忙しいため、全部を隅から隅まで読んでくれるわけではありません。

 

まずはタイトルを見て、半分以上はその先を読まずに終えられてしまいます。

 

理由は面白くないとか、売れそうもないというのが理由です。

その先を読み進めたところで、時間の無駄ですからね。

 

その先を読み進め、しっかりとした腑に落ちる内容であれば、企画書は最後まで読んでもらえますし、そこから出版につながることもあるということです。

逆に最後まで読む途中で、少しでも納得できなければ、最後まで読むことはありません。

つまり、正確に書くとこのようになります。

「出版社は(面白そうか、売れそうな)企画を探しているので、(その自信がある企画なら)どんどん企画書を送りましょう」

「出版社は(素人が考えた)企画を募集しているわけではないので、送っても(しっかり書かれた企画書でない限り、最後までは)読んでくれません」

 

ということで、しっかりと面白そうな企画、売れそうな企画にまとめあげれば、出版社は誠実に対応してくれるというコトです。

 

ちなみに、大々的に「企画募集」「原稿募集」をしている出版社は自費出版や共同出版の可能性が高いので、逆に要注意です。

パッと見で商業出版の出版社か自費出版や共同出版の出版社かを見極めるのは、両方やっている出版社もありますので、無理だと思いますが…。

 

あと、上記の2つの話しを巧みに使って、「だから私に依頼しなきゃ」と高額サービスに誘導する詐欺的出版プロデューサーも多いので気をつけましょう。