出版企画は、後出しジャンケンです。

すでに出ている本から売れているジャンルや売れている切り口を参考にして、その本よりもいい本を企画すれば、それほど難しくなく出版することができます。

 

実は、差別化やオリジナリティを際立たせるほど、その企画の新規性が高まり、よほど良い企画でない限り、それは出版社にとってリスクでしかありません。

よく、出版物に対して、二番煎じや三番煎じが多いという批判をSNSで見受けられますが、本を売って利ざやを稼ぐ書店員は、その本のテーマの専門家ではない以上、新規性の高いよく分からない企画より、二番煎じや三番煎じと言われても、売れている本に寄せた企画の方が売れそうな気がするとは思いませんか?

 

 

ということで、まずはすでに出ている既刊書を分析してみましょう。

そして、売れているジャンルや売れている切り口を見つけたら、その市場に対して、どういう本を出すことで訴求するのかを考えてみましょう。

攻め方にはいろいろありますので、いくつかバリエーションを紹介します。

 

  • 市場をより絞り込んで、マニア向けやニッチな市場に向けるなど読者ターゲットを工夫して、その市場に訴求する方法
  • 難しい内容を噛み砕いて、物語調や口語体、もしくは身近なものに置き換えるなど解説する方法を工夫して、その市場に訴求する方法
  • 図版を多めにしたり、手順をしっかり紹介したり、フルカラー(もしくは2色刷り)にしたりして誌面の見せ方を工夫して、その市場に訴求する方法
  • 浅く広くや狭く深くなどの扱う内容、独自性や切り口などの内容の展開を工夫して、その市場に訴求する方法

 

他にもあると思いますが、大事なことは「どうすればその市場に訴求できるか」ということをどれだけ本気で考えられるかということです。

そのことを念頭において、いろいろと自分なりに工夫してみましょう。

 

ちなみに、この内容は出版企画書の「企画概要」という項目の内容を考える時に大いに役立つはずです。

このことを考えてから、出版企画を考えた方が圧倒的にいい企画になりますし、その上で書いた出版企画書は採用されやすくなりますよ。