出版企画書を出版社に売り込むときは、出版企画の内容を客観的に見て、その内容と相性の良い出版社に売り込まなくてはなりません。
相性とというのは、ブランドイメージや出版社のカラーとの相性だと思ってください。
例えば、同じ投資本を出すとしても、投資の基本的な企画しか出さない出版社もあれば、ハイリスクハイリターンのちょっときな臭い企画しか出さない出版社もあります。
もし、あなたの企画が投資の基本的な企画だったとしたら、当然、ハイリスクハイリターンのちょっときな臭い企画しか出さない出版社に持ち込んでも、採用されるはずがありません。
そして、実は、出版企画の内容と出版社の担当編集者の相性もあるんです。
編集会議で企画を提案し、企画を通してくれるのは、何を隠そう出版社の担当編集者です。
ということは、その企画がいかにその担当編集者さんのモチベーションを上げられるかというのは、編集会議でどれぐらい本気で企画を通すためにプレゼンしてくれるかにかかっているということになります。
通常ですと、「売れそう」とか、「面白い」といった感情が、そのモチベーションの原動力になりますが、実はそれ以外にもモチベーションが上がる場合があるのです。
それが担当編集者の趣味・趣向と合致した場合。
この場合、もの凄いモチベーションになるみたいです。
それは、「売れそう」とか、「面白い」といった感情ではなく、「この企画をやりたい!」という感情を持ったときです。
それは、今まででは考えられなかった出版社から、今まででは考えられないような企画が通過してしまったぐらいのパワーです。
これ、本当に尋常ではないことなのです。
ということは、「売れそう」とか、「面白い」とかの感情を抱かせることも大切なことですが、それよりも「この企画をやりたい!」と思わせることが重要だということです。
そして、その「この企画をやりたい!」と思わせるためにも、編集者の価値観であったり、好みであったりを知っておくことが、何よりも重要ということです。
可能な限り、編集者とはコミュニケーションを取りましょう。
ただし、嫌われない程度の距離感も大事ですからね。