出版をしたい場合、出版企画書を書いて、それを持って出版社や編集プロダクションに売り込みをします。
ただ、その場合に持って行く出版企画書のとらえ方が、書いた人間と読む人間とで違うように思います。
企画書を書く場合、ほとんどの方が、「こんな本を出したいなぁ~」と漠然とイメージしながら書くことでしょう。
それは、あくまでも著者としての希望です。
しかし、その出版企画書を読む編集者は、「この著者は、このような本じゃなきゃ嫌なんだなぁ~」と思いながら読みます。
つまり、著者の条件だと思うのです。
このとらえ方の違いがどういうことになるかというと、企画書を書いた人間はあくまでも希望なので、譲歩するつもりでいたとしても、企画書を読む人間はそれを条件だと思って読むので、その企画書の内容だけで進行可否を判断することになります。
例えば、企画書に「ハードカバーの本」と書いてあったとします。
ハードカバーの本って、憧れますよね。
企画書を書いた人間は、あくまでも「ハードカバーの本」が希望であり、そうでなくても構わないと思っていることと思います。
しかし、編集者は「ハードカバーじゃなきゃ嫌なんだぁ~」と思い、「ハードカバーじゃなきゃ本になるかもしれないけど、ハードカバーじゃ原価も上がるし、今回は無理だな」と判断するということです。
結果、そのすれ違いで、企画は不採用となり、出版するチャンスを逃すことになります。
これはカバーの話しに限らず、本の内容、読者ターゲット、色(オールカラー)、ページ数、判型などにも同じことが言えるのですが、こんなことで人知れず、自分の出版の機会損失が起こっているとしたら、とってももったいないことだと思いませんか?
では、どうすれば良いかと言うと、自分が条件に思っていること以外は書かないというのが賢明です。
もし、書いたとしても、「希望」と書き加えておきましょう。
いずれにしても、これが条件ではないコトが分かるようにし、譲歩する余地があるコトが伝わるようにした方が良いということです。