出版のお手伝いや編集の仕事をしていると、数多くの企画書を見させていただきます。
その中で気になるのが、著者プロフィールや企画意図の文面です。
出版社は、「この人が、この企画を書くのに最適な人なのか?」「何でこの人が、この企画を書けるのか?」ということを著者プロフィールという項目を読んで判断します。
なので、出版企画書を売り込む上で、自分自身のプロフィールをいかにプロデュースするのかは、重要なことです。
しかし、最近、その表記が不自然に大袈裟な人が多く見受けられます。
出版社にそのまま出版企画書を見せると、間違いなく「この人は何様なの?」と言われるのです。
同様のことが、企画意図でも見受けられます。
企画意図なので、当然、この企画を立てた意図が書いてあるのですが、そこに「あんた何様?」と言いたくなる文面をよく見かけるのです。
もちろん、企画意図は私見で構いません。
しかし、やはり、それを書く以上、それを書くだけの実績や肩書きが必要なのです。
それが無い人に何を言われても真実味もありませんし、説得力もありません。
だからといって偉そうにする必要はないのです。
もし、それを出版社の人が読んだとしたら、どう思うでしょうか?
もちろん、「この人は何様なの?」と感じるはずです。
とくに出版業界の面々は、常に情報収集をしておりますし、著名とのコネクションもありますので、嫌な言い方をすれば、一個人の私見に耳を傾けている暇はありませんから。
ただ、あまり謙虚だと、著者として不適切だと思われてしまうので、ここはバランスとしか言いようがないことでもあります。
もし、実用レベルでそこを何とかしようと思うのであれば、まわりの人の意見に摩り替えると良いでしょう。
たとえば、「私はこういう実績があり、周りにはこう呼ばれております」とか、「私の周りでは、こういう意見が多いので、こんな企画を立ててみました」とか…。
自分で言うから角が立つのであって、まわりに言われていることにしてしまえば、自分では思っていなくても事実として話すことができます。
そうすることで、比較的、角は立たないはずです。
いずれにしても、あなたの企画書を読む方が「あんた何様?」と思うことがあるということを意識してみると良いでしょう。
それを意識して書くだけで、言い回しなどが変わってくるはずです。