これから本を出版する人も、すでに本を出版された人も、注意して欲しいのは『著者名』です。
著者名は意外と重要で、出版社では著作物がある場合、その本が売れたかどうかを調べ、その売れ行きが二冊目の出版企画の進行可否に大きな影響を与えます。
書店でも、その著者の著作物が売れていたかどうかで、平積みにするか、棚差しにするか、返本するかの判断に使われることがあります。
本が売れて、はじめて売上になる書店としては、置ける本の数も有限なことですし、売れる可能性の低そうな本を置く場所なんてないのです。
そんなことより、より売れそうな本をより多く置くことが、書店にとっての至上命題だと言ってもいいでしょう。
つまり、売れない本を書いた著者は、「売れない著者」という烙印を押されたのと同意です。
これは、ときに企画内容よりも重要視されることがあります。
なので、すでに出版をして、著作物がある場合でも、その本があまり売れなかったとしたら、著者名を別の名前(ペンネーム)にすることをオススメします。
売れない本の実績より、何も実績がない方が、これから売れる可能性があると判断される場合が多いからです。
それによって、また企画をまっさらな気持ちで検討していただけることでしょう。
また、これから本を出版される場合でも、著者名が売れない本を出された著者名と同姓同名だった場合、著者名は変えられた方がよいかもしれません。
出版社の方とは直接お話しができますので、誤解を解くことはできますが、書店ではその判断がつかないため、同一人物と見なされる場合が多いから…。
著者名を変えることに違和感がある方は、「~研究会」などにして、その会の主宰者は自分である旨を奥付の著者紹介欄で記載する方法もあります。
著者名は、あくまでも表紙に記載される名前で、その名前がデータベースに登録されるので、売れなかったとしても、その「~研究会」の「~」の部分を変更するだけで、著者名を変えるのと同じ効果があるのです。
そうすれば、元の名前は同じで、複数の著者名を得ることができますので、著者名をコロコロ変えるより、実績として残しやすくなるでしょう。
逆に、著者名をコロコロ変えてしまうと、実績として残しづらく、「実はどれも私です」と言ったところで、胡散臭さが増すばかりです。
いずれにしても、著者名はいろんな意味で末永く残るものですので、慎重に考えることをオススメします。
まぁ、出版した本が売れてしまえば、全てはどうでもいいことになるんですけどね。