本を出版した後、アマゾンキャンペーンやプロモーションの一環として「応援者募集」を行い、多くの方に献本をするケースをよく目にします。

しかし、献本はただ多くの人に本を配れば良いという単純な話ではありません。

その効果を最大化するには、戦略的なアプローチが必要です。

 

 

まず最初にやるべきことは、献本の対象となる方を慎重に選ぶことです。

その相手がどのような媒体を持っているのか、どのような読者層をターゲットにしているのかをしっかりとリサーチしましょう。

また、その方との信頼関係が築けているかどうかも重要なポイントです。

信頼があることで、相手が自分の言葉で本を紹介してくれる可能性が高まります。

一方、信頼が不十分な状態でお願いしても、形式的な紹介にとどまり、本の魅力が十分に伝わらないリスクがあります。

 

無差別に献本を行っても、紹介してもらえることはほとんどありません。

運良くさまざまなブログやメルマガで紹介された場合、一見すると露出が増えて成功しているように思えるかもしれませんが、その紹介される内容によっては逆効果を招くことがあります。

また、気安く献本することで、「私は献本されなかった」「買わなくてもタダでもらえるもの」などと思われてしまうと、その価値が著しく低下します。

結果として、購入を検討していた読者が購入をためらい、売上が伸び悩む原因となりかねません。

 

さらに注意すべき点は、紹介文を同封した場合の紹介文の使われ方です。

こちらとしては、わざわざ紹介文を書いていただくのは申し訳ないとか、手間をかけさせたくないとか考えて同封してしまいがちなのですが、献本した皆さんが全く同じ文章をそのままコピペして投稿してしまうと、逆効果になってしまうので、これも避けるべきです。

いろいろな人の投稿で同じ文面が散見されると、それを見た第三者は、本の価値が安っぽく見えてしまい、著者にとって大きなダメージです。

むしろ、その媒体の特色や読者層に合わせたオリジナルな視点で本を紹介してもらう方が、より大きな効果を期待できます。

 

露出を増やし、できるだけ多くの人に自分の著書を知ってもらいたいという気持ちは理解できます。

しかし、だからこそ著書の価値を損なわないための戦略が必要です。

まずは自分の本のターゲット読者を明確にし、そのジャンルに精通し、影響力がある人を選びましょう。

一つのジャンルにつき2〜3名を抽出し、その方々に丁寧にお願いすることをお勧めします。

この際、同じジャンルの方にお願いする場合は、読者が重複しないよう配慮すると、プロモーションの効果がさらに高まります。

 

本を販売する際には、単に露出を増やすだけでは効果が限定的です。

とくに、書名や装丁だけで読者の興味を引くのは難しいため、プロモーションを通じてしっかりと本の魅力を伝えることが重要です。

これを実現するには、適切な対象に焦点を当てたアプローチを心がけてください。

 

最後に、献本を行う際には自分の著書に誇りを持つことを忘れないでください。

本一冊には、著者としての想い、知識、経験が詰まっています。

その価値を最大限に引き出すためにも、献本の効果を考慮した計画的なプロモーションが不可欠です。

むやみに配布することで本の価値を損なうのではなく、影響力のある方々にしっかりと魅力を伝えてもらうことで、著書の価値を守りながら広く届けていきましょう。