出版社に企画を売り込んだとき、担当編集者さんが「この企画面白いですねぇ~、これはやりたいですね」と言われることがよくあります。
そんな時、担当編集者さんがそう言ってくれるってことは、もうこの企画は決まったようなものだと喜んでしまうことって、よくあります。
しかし、これでぬか喜びをしてはいけません。
この「この企画面白いですねぇ~、これはやりたいですね」というのは、あくまでも担当編集者さんの個人的な感想であって、会社としても決定ではないのです。
もちろん、社交辞令の場合もありますし、乗せられて言っちゃうこともあるかもしれません。
逆に担当編集者さんは本気でやりたいと思ってくれていることも多々あります。
ただ、出版はそんなに簡単に決まるものではないのです。
なので、まだこの段階では、企画が決まった気になって、調子に乗ってはいけません。
他の記事でも書きましたが、担当編集者さんが企画を編集会議に出してくれてから、出版が決まるまでの間にだいたい3回ぐらいの会議を経て、出版が確定します。
もちろん、出版社によって微妙に違ったりしますが、私が知る限り、だいたいそんな感じです。
そして、もっと言えば、編集担当者さんの「やりたい」は、その3回の会議にも含まれていないレベル。
つまり、編集会議に出しますという意味と言っても過言ではありません。
もちろん、編集担当者さんが乗る気になってもらわなければ、1回目の会議であっさりとボツになってしまうので、編集担当者さんに「やりたい」と言わせることは、とても大切なことではあります。
しかし、そこで油断してはいけません。
その後、他の編集部の人たちや編集長も説得し、営業などの他のセクションも説得させなくてはいけないのですから。
なので、たとえ編集担当者さんが「やりたい」と言ったとしても、浮かれることなく、その担当編集者さんが会議で有利に話しをしやすいように、いろいろな情報を提供してあげてください。
企画を通すために必要な情報を与え、完璧な理論武装をしてもらって、編集会議に挑んでもらいましょう。