最近、送られてくる企画書を拝読していると、著者プロフィールに自分の写真を貼ってくる人が非常に多いです。

たぶん、あちらこちらでそういう指導されている同業者がいらっしゃるんだと思います。

 

しかし、私は、出版業界で25年以上も書籍編集者として活動してきましたが、ただの一度も出版社から写真を要求されたことはありません。

逆に、写真の貼ってある企画書を持って行って、苦笑されることはありましたが、それが決め手になったことは皆無です。

 

 

なので、先日、出版社の編集者にアンケートをに聞いてみました。

 

「出版企画書に写真って必要でしょうか?」という質問に対して、多くの回答が「全く影響しません」でした。

ただ、興味深かったのは、男性と女性で写真の持つ意味が違うということでした。

男性の場合、「この人が書くんだぁ~」レベル。

むしろ、照れくさがってスナップ写真を送ったり、カッコつけて腕組みしている写真を送ったりすると、どんなに企画が良かったとしても、それで落とすことはあるそうです。

つまり、写真の効果は、マイナスになることはあっても、プラスになることはほとんどないということになります。

 

で、女性の場合、重要なのは、やはり“容姿”。

この容姿というのは、カワイイとかキレイというわけでも、担当者の好みかどうかというわけでもありません(笑)

出版社が重要視するのは、“表紙”や“帯”で使って、売上に効果を発揮するかどうかです。

例えば、無機質なカバーが多いビジネス書の棚でキレイな女性がカバーに載っていたら目を引きますし、ちょっと頭が悪そうな女性が何億稼いだって書いてあったら自分ならもっと稼げる気になりますよ。

つまり、これって“表紙”や“帯”に写真を載せた効果な訳です。

ただ、たとえ“表紙”や“帯”で使えるといっても、100点満点中80点の企画書が85点になるぐらいだそうです。

もちろん、男性同様に写真があまりにもふざけた感じだと、女性であってそれで企画が落ちることもあります。

 

つまり、著者プロフィールに写真を貼ることを指導される人も多いですし、それに従い、写真を貼った企画書を送ってくる方は非常に多いのですが、実際は、損することはあっても得することは少ないのです。

どうしても写真を貼りたいのであれば、いずれにしてもちゃんとカメラマンさんに撮ってもらうようにしましょうね。