出版企画を出版社にお送りしてから、スグに検討して、スグに回答いただける訳ではありません。
ほとんどの出版社では、企画を提案して進行が確定するまでに2~3回の会議を通過しなくてはなりません。
このことを多くの人が知らないため、つい状況確認の催促メールをお送りしてしまい、編集者の心象を悪くしてしまう人が意外と多いです。
では、その2~3回の会議というのは、どういうメンバーが参加し、どういうことを話されるのでしょうか?
実は、各会議では、話し合う内容も違うし、参加するメンバーは異なります。
1回目の会議
ここでは、編集部内でネタを吟味します。
この時点では、書名案と企画概要ぐらいの簡単な情報で、多数集まったネタから選別するのが目的です。
2回目の会議
ここでは、1回目に通過したネタをより詳細に検討します。
この時点ではじめて企画書が必要になります。
ここを通過したら、よほどなコトが無い限り内定となります。
3回目の会議
ここでは、確定を前提として、営業など他の関連セクションの方も含めて、部数や価格、ギャランティなどを詰めます。
企画としては良くても、採算が見合うかなどにより、最終的な結論が出ることになります。
企画書を作成するということは、1冊分の本の設計図を書くようなものです。
なので、本を一冊書き上げるぐらいの労力がかかります。
しかし、最初の会議で採用されなかったとしたら、その作業のすべたが不毛な作業になってしまうのです。
なので、直接、出版社の編集者にお話しできる環境にあるのであれば、会議の進捗に合わせて段階的に企画書を作成した方が良いでしょう。
また、ネタの段階では、出版社の方と話しをしながら決まるコトもよくあります。
「こういう人がこういう本を書いてみたいそうなんですが…」
「あ、それ、面白そうだね」
この時点で、何もしなくても1回目の会議は通過できたも同然だったりします(こういう場合、出版社の方が会議用の資料は作成してくれます)。
ちなみに、この会話を出版社の編集長や社長との会話だと、2回目の会議もほぼ通過できたも同然となるでしょう。
もちろん、3回目の会議は条件面が確定する重要な会議でもありますので、まだまだ気を抜いてはいけません。
この会議の結果次第で、出版社側が企画を却下することもありますし、逆にこちら側からお断りするような条件を提示されることもありますので(極端に定額なギャランティ提示など)。
全ての出版社がこのような流れとは言いませんが、多くの出版社のプロセスからそれほど外れていないはずです。
企画確定までのプロセスを理解することで、より効率的に売り込みをしていきましょう。