出版コンサルタントが、あなたを最短距離で著者に導きます!

カテゴリ:書籍の企画書の書き方 - Part 10

2010年9月9日

テーマ:書籍の企画書の書き方

編集会議を通過しても気持ちを緩めてはいけません

基本的に、編集会議を通過したら、出版はほぼ確定となります。

でも、それは、あくまでも“ほぼ”なのです。

実際に編集会議が通過した後に本にならなかった事例というのは、弊社ではまだありませんが、業界的には意外に多いようです。

では、それはどうい場合かというと、原稿ができた時点で“企画の構成(内容)が変わっている”場合と“原稿が直してどうこうなるレベルではない”場合です(原稿ができてこないというのは論外なので、扱いません)。

編集会議では、出版企画書をベースに検討されます。

そして、その出版企画書を総合的に判断して、企画は確定となります。

つまり出版企画書に書かれたことというのは、何かの契約時に取り交わす契約書の内容と同じぐらい重要です。

しかも、目次案は出版企画書の1項目ですから、できあがる原稿がその目次案に限りなく合致していなくてはならないのは当たり前の話ですよね。

ところが、実際に企画が通った後で、「この目次案では書けない…」という人がとても多いのです。

この“書けない”というのは、“ペンが走らない”とか、“何を書こうとしたか忘れた”というのも含まれていると思います。

でも、本来であれば、その目次案だから通った企画ともいえますので、そう簡単に変更してはいけません。

変え方によっては、全く違う本になる場合もありますからね。

逆にいえば、企画書を作る時点で、もっと真剣に、もっと具体的に、本の中身や話しの流れなどを想定して、作らなければならないということです。

あとは、せっかく企画は通ったのに、上がってきた原稿が日本語ではないという場合ですね。

編集者は、ある程度は手を加えますので、修正できるレベルの原稿であれば、あまり大きな問題にはなりません。

ただ、中には、ほぼ全てを書き直さなければ、商品価値のある文章にならないということがあります。

それでは手間が掛かりすぎて、刊行スケジュールも守れないし、原価も割ってしましますので、そこまでして出版する必要は無いと判断されるのです。

この文章力の問題は、企画書からは判断できませんので、仕方がないことですが、自分の文章力に自信がないのであれば、早めに章単位で原稿を見せて、ダメなようならライターを手配するなど、対策を講じましょう。

こういう問題は、弊社のような編集制作作業まで請け負う出版プロデューサーだと、どこまで変更してもいいかというさじ加減や、文章をリライトする機能を持っているので、出版社に気づかれずに吸収することができます。

しかし、そうでないと、出版社と直接のやりとりになりますから、最悪の場合は発刊停止となるようです。

出版社の編集者の話しですと、こうして発刊中止になるケースというのは、意外に多いらしいので、皆さんも編集会議を通過した時点で気持ちを緩めることなく、最後まで気を引き締めて取り組んでください。

この記事を共有する
このエントリーをはてなブックマークに追加
「この記事は役立った!」という場合には
応援クリックしていただけると嬉しいです!
応援クリックは右のボタン ブログランキング

2010年7月6日

テーマ:書籍の企画書の書き方

実用書の企画書は読者がたどり着く到達点がポイントです

実用書の企画書を書く場合、その書籍を読むと読者がどうなれるのかがポイントになります。

つまり、本を読むことでたどり着く到達点です。

この到達点が魅力的でなければ、当たり前ですが、本は売れません。

では、人が思わず本を買いたくなる到達点というのは、何なのでしょうか?

簡単に言うと5つの切り口×2つのスタンスで10パターンあります。

5つの切り口というのは、お金、労力、時間、悩み、体験です。

2つのスタンスは前向きと後ろ向きになります。

これを自分の書きたいテーマを読んでくれるターゲットに響くパターンに当てはめます。

“儲かる”が響くのか、“節約”が響くのか。

“やる”が響くのか、“やらない”が響くのか。

“効率”が響くのか、“ゆとり”が響くのか。

“安心”が響くのか、“不安”が響くのか。

“成功談”が響くのか、“失敗談”が響くのか。

パターンが決まったら、さらに言い回しを工夫したり、数字などを入れて、より具体的にイメージできるようにしてください。

それができれば、きっと魅力的な到達点になっているはずです。

この記事を共有する
このエントリーをはてなブックマークに追加
「この記事は役立った!」という場合には
応援クリックしていただけると嬉しいです!
応援クリックは右のボタン ブログランキング

2010年6月1日

テーマ:書籍の企画書の書き方

書きたいことで出版したいのなら売れる根拠を教えてください

このブログでは、再三、『一冊目は自分のリソースの中で一番売れそうなネタで出版しましょう』と書いてきました。

それでも、「せっかく出版する以上、書きたいことで出版したいです」と言って、書きたいことで企画書を書かれる方が多いです。

考えれば分かることですが、出版するということは、出版社があなたの企画なら売れると思って、費用を負担して出版できるんです。

つまり、出版社はあなたの企画に投資をしてくれるということになります。

それなのに、当の本人が売れるかどうかより、書きたいことを優先するのって、出版社にとって失礼だとは思いませんか?

もちろん、理想なのは、『書きたいことが一番売れそうなネタ』です。

そんなことは分かっています。

でも、現実はそんなに甘くはありません。

それでも書きたいことで出版したいのであれば、あとは、その企画が売れるであろう根拠を出すしかありません。

自分の販売力をアピールしても構いませんし、読者ターゲットの市場規模をアピールしても構いません。

いずれにしても、素人マーケティングによる、あなたの意見は意味がありません。

できるだけ数値化した根拠、第三者による客観的な資料などを用意するようにしてください。

逆にいえば、それを用意できるということは、その時点で『書きたいことが一番売れそうなネタ』ということになりますよね。

つまり、理想的な形で出版できるということです。

もし、書きたいことで出版したいのなら、売れる根拠をできるだけ詳しく書くようにしてください。

ちなみに、“書きたいこと”と“売れること”のすみ分けですが、基本的には、担当編集者に理解できない企画は、ほぼ全て“書きたいこと”だと思って間違いないと思います。

どんなに“売れること”だったとしても、担当編集者が理解できなければ、それは“書きたいこと”でしかありませんから。

その場合は、売れる根拠を提示するか、違う出版社に売り込しかありませんね。

過去にも同じ企画書を違う出版社に持っていったら、あっさり通ったことはたくさんありますから。

この記事を共有する
このエントリーをはてなブックマークに追加
「この記事は役立った!」という場合には
応援クリックしていただけると嬉しいです!
応援クリックは右のボタン ブログランキング