ビジネス書での出版を目指す場合、著者候補の人からよく聞かれることがあります。

 

それは、“実績(企画)”が先か、“文章力”が先かという話しです。

 

ここでいう“実績(企画)”とは、自分が書ける確固たるノウハウやメソッドなどを意味します。

もしかしたら、ネタ、テーマ、切り口……というようなことも含むかもしれません。

いずれにしても、専門家として自信を持って語れるコトですね。

 

もう一方の“文章力”は、そのままですね。

出版をするということは、文章を書くということでもありますので、出版して読者に読ませても恥ずかしくない文章が書けるかどうかということだと思います。

 

 

で、この“実績(企画)”が先か、“文章力”が先かという話しです。

結論からいえば、“実績(企画)”が先です。

文章力はライターさんに代筆をお願いすることも可能ですし、編集者が手を入れて修正していくことも可能ですが、ノウハウやメソッドなどはその人にしか分かりませんからね。

我々がお手伝いすることができないのです。

 

私のところに相談に来られる人が、よく「今はネタがないので、文章力を磨きます」とおっしゃいます。

しかし、私からしてみれば、これは逃げ口上以外、何者でもありません。

だって、ネタが無いのなら、ネタを探すべきです。

作家を目指すのでないのであれば、文章力をいくら磨いても出版は近づきませんから。

 

よく、この“実績(企画)”が先か、“文章力”が先かという話しを、“鶏”が先か、“卵”が先かという話しと一緒に論じられることがありますが、全く違います。

 

ビジネス書で出版を目指す以上、間違いなく必要なのは“実績(企画)”です。

企画は、面白くなかったとしても、面白くすることはできませんから。

 

現に、長年、本を作ってきましたが、「企画書で見たのより、内容が面白くない」という理由でボツになった事例はありますが、「文章力が無い」という理由でボツになった事例は一件もありません。

ただし、“実績(企画)”が面白くて企画が通った人にあまりに文章力が無かった場合、それを加筆・修正するのは弊社のような編集プロダクションの仕事だったりします。

なので、文章力は必要ないとは決して言いませんけどね(笑)

(実際、“実績(企画)”が面白くて企画が通った人の原稿をヒアリングしながら7割以上を弊社で書き直したこともありますから…ました(爆))