今回は、出版社が倒産した場合について書きたいと思います。
まず、出版社とはいえ企業ですので、倒産するまでには民事再生での再建を目指した上で、ダメなようなら倒産となります。
当然、民事再生であれば、再建の可能性は残されますので、額は目減りする可能性はありますが、支払われる可能性はあります。
しかし、倒産となりますと、会社は管財人の手に渡り、会社の人間と連絡が取れなくなります。
管財人は、その会社に残った資産を計算して、債権者に分配することになるのですが、出版業界の場合、印刷屋さんや紙やさんは、一冊あたりの金額もさることながら、支払いサイクルが長いため、かなりの金額に達します。
しかも、一社の出版社は、決まった印刷屋さんや紙やさんを使い続けるため、ますます被害は大きくなります。
そうなると、残った資産は負債額の比率で分配されますので、微々たる金額しか受け取ることができません。
(今までの経験で言うと、受け取れたことはありません)
つまり、出版社が倒産した場合、泣き寝入りせざる得ない状況になってしまいます。
そうならないためには、事前に出版社の与信を管理する必要があるのですが、今まで景気が良いと言われたことの無い業界でもありますので、細かいポイントはいくつかありますが、与信を管理するにも限度があります。
「大きいから安心」とか、「中小だから危険」ということは、あまり関係ないようにも思います。
逆に与信の管理を意識しすぎて、印税などのの支払い条件に口を出すと、どこからも本を発行できなくなります。
そして、原稿が出来上がった時点で出版社が倒産した場合ですが、本ができあがっていなければ、その本は他の出版社に売り込むことは可能です。
逆にできあがっている場合は、一回、市場に出た以上、改めて発刊するにはかなり市場が小さくなってしまったと思われるため、かなり売れた本以外は他の出版社による買い取りは厳しいでしょう。
逆に、本ができていれば形に残りますが、できていなければ、他の出版社での買い取りが決まらない限り形にすら残らないため、その本に関する労力は無駄になってしまいます。
いずれにしても、本を出す以上、ある程度リスクを覚悟しておくべきなのかもしれません。